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インフロニア首脳が激白、「TOB不成立後」の次策 任天堂創業家に「会う予定は現時点ではない」

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東洋建設へのTOB(株式公開買い付け)が不成立に終わったインフロニア・ホールディングス(HD)。長い沈黙を破って、岐部一誠社長が心境を語った。

今後の展開を語るインフロニアHDの岐部社長
今後の事業展開について語るインフロニアHDの岐部一誠社長(撮影:今井康一)

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国内建設投資の先細りが懸念される中、建設各社の経営環境は厳しさを増している。準大手ゼネコン前田建設工業などを傘下に持つインフロニアHDは時代を先読みし、「脱請負」を掲げ、インフラ運営事業の強化に邁進してきた。
その「脱請負」戦略に沿って、マリコン(海洋土木)大手で持分法適用会社の東洋建設へTOBを実施し完全子会社化を狙った。しかし、任天堂創業家ファミリーオフィスの突然の介入により、TOBは5月19日に不成立に終わった。
岐部社長はこの「TOB不成立」をどう受け止め、次の手をどう考えているのか。

 

――任天堂創業家のファミリーオフィスがTOB期間中に東洋建設株を買い集めたこともあり、TOBは不成立に終わりました。

大きなシナジーを期待していたので残念だ。ただ、市場の評価なので仕方がない。われわれはインフラ関連事業のマネジメントを強くしていく手段の1つとして東洋建設の完全子会社化を図ろうとした。

【2022年8月22日12時10分追記】初出時の記述を修正しました。

結果は不成立だったが、現在も東洋建設の株式を20%保有する株主であることに変わりはない。筆頭株主ではなくなったかもしれないが、持分法適用会社としてこれまで通り提携関係を続け、協調していく。

そうした意味では、現在のインフロニアHDと東洋建設の関係は、TOBをかける前の状態に戻っただけと言えるかもしれない。

インフロニアの今後の方策は?

――任天堂創業家は現在、東洋建設に買収提案をしています。インフロニアHDはどう対応する方針でしょうか?

現時点では何もお答えできない。

――任天堂創業家の山内万丈氏や、その右腕と言われている村上皓亮氏に会う予定はありますか?

現時点では何も決まっておらず、当方から面談を申し入れる予定はない。

【2022年8月22日12時10分追記】初出時の記述を修正しました。

――一大株主として、動きを当面静観視するということでしょうか。

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