ダスキン営業車暴走騒動に見たロゴを背負う重み 資本関係ない加盟店従業員にも自覚促す必要がある

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ではロゴを描かなかったらどうなのでしょう?

こう書くとそれだけで「イラっ」とされる読者がいらっしゃるかもしれません。「不法行為を助長するのか?」と。この記事で言いたいのはまさにその点です。ロゴが描かれた営業車は昔から当たり前のように使われてきたのですが、時代が変わって「SNSによる監視社会」が訪れました。それでも会社は営業車にロゴを描き続けたほうがいいのか、経営者が自問を始めてもおかしくはないでしょう。

結論まで読んでいただければスッキリすると思いますが、まずはこの問題、そもそも論から考えてみたいと思います。

ダスキンやアイリスオーヤマの営業車が、車に自社のロゴを描き、意匠的にもぱっと見で「あ、ダスキンの車だ」とわかるようなデザインになっている理由は何でしょうか? 伝統的には3つの理由があります。

宣伝、勢力のアピール、従業員の自覚

ひとつはそれが会社の宣伝になるからです。消費者向けの商品を扱っている会社や、B2Bの業務用でも取引先の数が非常に多い会社では、営業車にロゴマークを描くことが自社の宣伝になります。

ふたつめにその延長で自社の勢力をアピールすることができます。宅配便の軽トラックはヤマト運輸はヤマトの、佐川急便は佐川の意匠で一目でわかるデザインになっています。町を歩いているとこのふたつのトラックをよくみかけるのですが、そうなるとこの2社が宅配便業界でも勢いがよいことが印象付けられます。

3つめに従業員に自覚を促すことができます。周囲から見られていることが意識づけられることで、従業員は会社の看板を背負うことになり、不用意な行動はできなくなるのです。

これらの会社の従業員が制服で業務を行うのも同じです。

「ああ、あの会社の人なんだな」

と周囲がすぐにわかるので、従業員も制服を着ておかしな行動はとりにくくなるものです。

丸の内の大企業の従業員の場合、スーツの左襟のところに社章をつける会社が少なくありません。これも同じ考え方です。居酒屋などで会社の仲間と大騒ぎしていると、それが社章のおかげでばれたりする。そうなるといけないのでアフターファイブに社章を外す輩もいるのですが、この社章を紛失すると始末書もので最悪の場合は懲戒になる場合もありえます。

次ページ周囲にわかるようにすることで自覚を促すのが伝統的な考え方
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