「アンダーアーマー」のマスクが異彩を放つ理由 昨年の先行販売では3万枚が1時間で完売した

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アンダーアーマーのマスク爆売れの背景を取材しました。アメフト、ボブスレーの二刀流アスリート・栗原嵩選手も使用(写真:アンダーアーマー提供)
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コロナ禍以降で大きく変化した生活様式のひとつは、外出時のマスク着用だろう。街を歩いていても、マスクをしていない人はほとんど見かけない。マスク着用の常態化に伴い、家庭用マスク市場は当然のことながら急拡大を見せた。

富士経済が2020年11月に発表した調査では、2020年の家庭用マスク市場は、販売金額が5020億円にものぼると予想された。2019年の415億円から、実に12.1倍にも市場が膨れ上がったのだ。

急激なマスク需要の増加によって異業種が続々と新規参入し、市場にはさまざまなマスクが出回るようになった。最近は、デザイン性やファッション性に優れるものも多い。

そんな群雄割拠とも言えるマスク市場において、“スポーツマスク”として異彩を放つ商品がある。アンダーアーマーが開発した「UAスポーツマスク」だ。

日本では、アンダーアーマーの総代理店であるドームによって2020年6月に先行販売を開始。その後、右肩上がりに販売数を伸ばし、大ヒットを記録している。

全国のスポーツ専門店のスタッフが選ぶ「日本スポーツ用品大賞2020」では、「最も売れた商品」「最も革新的だった商品」の2部門で大賞を受賞した。

昨年9月に累計販売数50万枚を突破

「あくまでスポーツをするときのマスクとしてつくられている。そこが他社との差別化要因になっています」と話すのは、ドームのブランドマーケティング部・松坂恭平部長。大手スポーツメーカーが続々とスポーツマスクの販売を開始するなか、「アンダーアーマーはスポーツマスク市場の第一人者」として市場を牽引している。

オンライン取材に応じてくれたドームのブランドマーケティング部・松坂恭平部長(筆者撮影)

UAスポーツマスクの特徴は、独自設計の3層構造だ。マスクの外側には撥水加工を施した生地を使用し、雨や汗などの水分を弾く。

中間層には空気のみを通す立体構造を採用することで、通気性を確保しつつ、湿気や汗の通過を抑制。肌に触れる内側の裏地には冷感素材を使用し、着用時の涼しさを持続させる。速乾性にも優れており、手洗いをすることで繰り返し使用できる。

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