ダスキン営業車暴走騒動に見たロゴを背負う重み 資本関係ない加盟店従業員にも自覚促す必要がある

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ダスキンのロゴ
ダスキンの経営理念には「他人に対して喜びのタネまきをすること」というくだりがあります(撮影:今井康一)

清掃業務やミスタードーナツの運営で知られるダスキンが8月29日、営業車の危険運転について謝罪しました。ダスキンの営業車とみられる軽自動車が信号無視をしてあやうく横断歩道を渡りかけていた子どもをはねそうになった動画が拡散していたのです。

拡散したのは「ダスキンさん、営業車で堂々と信号無視をかまし危うく児童を掃除しかける@神戸三宮駅付近」という説明の動画です。その動画を見ると確かによく知られているダスキンの意匠が車体に描かれた軽自動車が、赤信号を停止せずに横断歩道を突っ切っています。

ちょうど信号が変わった直後だったようで多くの歩行者が歩き出しているタイミングだったのですが、子どもが勢いよく駆け出したところでまさに間一髪。事故にならなかったのは不幸中の幸いでした。

ダスキンによれば、問題を起こしたのは同社の商標の使用権や商品&サービスの販売権を得て事業を運営しているフランチャイズチェーン加盟店の営業車両で、ダスキンは今後、全国のフランチャイズチェーン加盟店に対して交通安全に対する指導・教育を徹底し、再発防止に努めていくとのことです。

アイリスオーヤマの営業車でも危険運転動画が拡散

今年6月には栃木県でアイリスオーヤマの営業車が行った危険運転の動画が拡散して、同社が謝罪しています。信号のない横断歩道を渡ろうとしていた歩行者がいて、それで車が停車したのですが、対向車線の車がなかなか止まらないために歩行者が横断歩道を渡れずにいました。

それにしびれをきらしたのでしょう。ドライブレコーダーの映像では停車した車の後続車が3台、左側の側道を強引に抜けて横断歩道を突っ切って行ったのですが、残念なことにそのうちの1台に「アイリスオーヤマ」のロゴがしっかりと映っていたのです。

「あってはならないこと」

と世論が怒り、企業は、

「本人は厳しく処罰した。再発防止に努める」

と頭を下げるわけです。一歩間違えば命に関わることですから、それは当然でしょう。SNSの動画は往々にしてテレビのニュースでも流されさらに多くの人の目にとまります。企業としての評判も下がるのですがそれもある意味では仕方がないことです。

ドライブレコーダーが普及して以来、ネット上にはあおり運転や逆走、あわや事故かという危険運転などの動画が毎日のように投稿されるようになりました。その中に有名企業のロゴを描いた自動車が映っていれば確かに炎上は必至でしょう。

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