気づけば「組織依存な会社員」全力で脱出するコツ 何がキャリアのブレ―キになっているか知ろう

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課長に思い切って聞いてみると…

課長と2人きりで会議室にいた。先生に教えてもらったキャリアの行き詰まりから抜け出すワークアウトをやってみて、まずは課長と話をすべきだと感じ、時間を取ってもらったのだ。

人事部に異動になった理由と、異動することによって何を求められているのかをはっきりさせなければ、前に進めない―― 。そう思って、課長に尋ねた。

「なぜ私が人事に異動になったのですか? 理由を教えてください」

緊張で声が震えた。これまでの仕事の成績表を、突き付けられるような気がしたからだ。しかし、課長の答えは拍子抜けしたものだった。

「向いていると思ったんですよ。定年退職した社員がいて人事部に欠員が出たから、誰か適任者はいないかという話が私のところにきて、佐藤さんの顔が真っ先に浮かんだんです」

「でも、それなら他に適任者がいるような気がします。私は入社以来ずっと営業なので、人事について何も知りませんし……」

「私は合っていると思いますよ。佐藤さんは面倒見がいいから後輩によく頼られていますし、利益を出しつつ顧客の幸せも考えて営業をすることができる。人事の仕事も、それと同じです。人を育てながら生かして、会社の発展にも貢献する。佐藤さんならそれができると思ったから、人事に推薦したんですよ」

営業として戦力外通告を受けたわけではなく、自分の資質を考えての異動だったことに、驚いた。後輩を助けることも、会社と顧客双方のメリットを考えて仕事をすることも、当たり前のことだと思っていたからだ。

「ただ、佐藤さんは少し悩みがちなところがありますね。優しいからだとは思いますが、人事部では会社と社員の間に立って、冷静に判断しなければならないこともあります。だから今後は、自分の判断に自信を持って、組織を活性化するための決断力と行動力を磨いてほしい。これが人事部に異動した後の佐藤さんのミッションですね」

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