私が安倍元総理に「耳が痛い」話でも進言できた訳 内閣参与時代に実践した「正論の通し方」とは?
「上司のため」という気持ちが大事
よくプロ野球の選手が「優勝して、監督を男にしたい」という言葉を使います。この言葉や気持ちというのは、組織の上下関係としてはとてもいいものだと思います。自分のために優勝するのではなく、監督のために優勝したいという気持ち。
ビジネスの世界も同じです。「営業成績を上げて、この部署をナンバー1にしたいですね」など、上司や組織を上に上げたいという気持ちを前面に出すのです。結局、どんなに正論だろうと、最終的には人は感情で動くことを忘れてはなりません。
ですから、私は自分の意見を通そうとした場合、この人は自分の味方にしておかねばならないという人に対しては、まずその人と仲良くなろうとします。
ただし、ただ単に尻尾を振っているだけでは絶対にダメです。それではただの太鼓持ちに過ぎません。そうなれば、こちらの思い通りに振る舞ってくれることがほとんどなくなってしまいます。
我々が上司を侮ってもいけないし、上司に侮らせてもいけないのです。いったん上司に侮られてしまうと、必ず足元を見られてしまいます。そして軽く見られておしまいです。
最終の目的は、上司に好かれることではありません。その先に、本来の目的がある。つまり「正論を通す」という大義がなければなりません。その意味で、しっかりと「自分の意見を言う時は言う」ことが大切です。
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