私が安倍元総理に「耳が痛い」話でも進言できた訳 内閣参与時代に実践した「正論の通し方」とは?

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「正論を通す」ために何が必要か、本稿で考えてみます(写真:Tzido/PIXTA)
人は誰しも会社や社会に対して、「こうあるべき」「こうしたほうがよくなるはず」という思い=正論を持っていることでしょう。しかし、そうした思いを会社や上司に伝えても、得てして相手に煙たがられたり、無視されたりしがちです。結局、主張するのをあきらめてしまう人が多いのではないでしょうか。
「そこで引き下がってはいけません」と言うのは、京都大学大学院教授の藤井聡氏です。同氏はこれまで大阪都構想への反対や積極財政への転換など、自身が正しいと思うこと=正論を数々論じてきました。
はじめは見向きもされなかったこれらの主張は、次第に共感を呼び、最後は多くの人の心をつかみました。どうすれば、藤井氏のように人の心をつかめるのか。同氏の新刊『人を動かす「正論」の伝え方』をもとに、ビジネス社会で使える正論の伝え方、通し方について3回にわたり解説します(第2回/第1回)。

「上司のため」という気持ちが大事

よくプロ野球の選手が「優勝して、監督を男にしたい」という言葉を使います。この言葉や気持ちというのは、組織の上下関係としてはとてもいいものだと思います。自分のために優勝するのではなく、監督のために優勝したいという気持ち。

ビジネスの世界も同じです。「営業成績を上げて、この部署をナンバー1にしたいですね」など、上司や組織を上に上げたいという気持ちを前面に出すのです。結局、どんなに正論だろうと、最終的には人は感情で動くことを忘れてはなりません。

ですから、私は自分の意見を通そうとした場合、この人は自分の味方にしておかねばならないという人に対しては、まずその人と仲良くなろうとします。

ただし、ただ単に尻尾を振っているだけでは絶対にダメです。それではただの太鼓持ちに過ぎません。そうなれば、こちらの思い通りに振る舞ってくれることがほとんどなくなってしまいます。

我々が上司を侮ってもいけないし、上司に侮らせてもいけないのです。いったん上司に侮られてしまうと、必ず足元を見られてしまいます。そして軽く見られておしまいです。

最終の目的は、上司に好かれることではありません。その先に、本来の目的がある。つまり「正論を通す」という大義がなければなりません。その意味で、しっかりと「自分の意見を言う時は言う」ことが大切です。

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