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「戦場と民間の接近」ウクライナ侵攻が示した側面 技術革新に伴う様々な変化が今後も世界に広がる

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もっともこれも、新興技術が発展・普及する速度に規制が追いつかないという、今日では広く見られる問題と言えるかもしれない。また、ここで取り上げている戦争への介入手段を「武器」と呼ぶかどうか自体も議論の余地があろう。しかしいずれにせよ、こうした技術の普及に伴う軍事的なグレーゾーンの拡大が不可逆であればこそ、その影響を管理するための国際的な枠組みを構築していくことが重要になってくる。

技術と安全保障のかかわりあいをいかに議論するか

ロシア・ウクライナ戦争をつうじて得られたこのような問題意識を日本の文脈に落とし込むならば、デュアルユース技術に対する政策的な向き合い方を改めて考える契機にもなろう。経済安全保障関連の政策の具体化に注目が集まるなか、先端技術とビジネス・学術とのかかわりを論じるだけでは十分ではない。それと同時に、軍事の文脈を考慮したうえで先端技術の利用・保護の問題に取り組んでいくことが喫緊の課題であると言えよう。

とはいえ日本では、徐々に変わりつつあるものの、技術の軍事利用と民生利用を切り分けたうえで、技術の軍事利用を極力控えることこそが、「平和」を維持することにつながるという論調も依然として見られる。これもひとつの立場ではあるが、ロシア・ウクライナ戦争が示しているのは、民生技術として普及したものが、軍籍のない「普通の人々」による利用をつうじて、いかにして戦場にインパクトを与えるかという、新興技術の一側面であった。

つまり、特定の技術が民生用途で普及しているからといって、戦場に影響を与えないことが担保されているわけではない。だとすれば、デュアルユースの問題を考えるに際しても、ロシア・ウクライナ戦争のような「戦争」や「戦場」における具体的なケースを引照ないし想像しながら、技術の利用や規制のあり方を軍事・民生の二分法にとらわれないかたちで検討していくことが、改めて重要になってくるのである。

(齊藤孝祐/上智大学准教授)

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