1999年に逝った男が綴ったサイトが今も残る意味 20年以上無管理「池田貴族心霊研究所」の役割

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再発がみとめられたのは1年にも満たない1997年8月のこと。直ちに外科手術を受けるが、同年10月にはステージIV-aまで進行していると告げられる。このとき34歳。すでに余命幾ばくもないことも理解していたが、長年連れ添っていた一美さんのお腹には第一子が宿っている。1998年2月に長女・美夕ちゃんが誕生。当時のインタビューで「美夕が3歳になるまでは生きたい」と語る映像が残されている。

しかし願いは叶わず、1999年12月25日に故郷の名古屋市内の病院で貴族さんは亡くなった。それでも、死の直前までライブや音楽制作、執筆活動を精力的に続けたことはサイトに残る闘病史からも伝わってくる。がんは肺にも転移していたが、浅い呼吸で歌える歌唱法を身につけており、その技術は晩年のライブやCDで遺憾なく発揮されている。

<98年 2月 長女誕生(美夕ちゃん)
3月 著書「誕生」発売
9月 著書「東京近郊ミステリースポット紀行」
肝臓に再発のほか、右肺にも転移、手術
7月 プロデュースCD「サイコツアー」リリース
9月 著書「池田貴族のTVを話せなかった超怖い話」発売
10月 定期検査で肝臓に14個、右肺に1個の新たながん細胞発見、抗がん剤治療を始める。
99年 1月 アルバムのレコーディング・スタート
3月 手術、右肺1/3を摘出 (9日)
手術後の検査で肝臓に新たな4個のがん細胞を発見、再び抗がん剤治療
4月 プロデュースCD「サイケガンダム」リリース (2日)
初ソロアルバム「MiYOU」リリース (21日)
マキシシングル「MiYOU」も同時リリース
ライブ「貴族~本当に歌えるのか~」 (赤坂BLITZ 28日)
5月 著書「モビルスーツ 最強決定バトル」発売 (25日)
チャリティーライブ「貴族 大生前葬(名古屋センチュリーホール 30日)」
7月 検査の結果、肝細胞のがんが約70個に。
ビデオ「貴族 歌えました~MiYOU~」発売 (16日)
10月 写真「生(LIVE)~池田貴族ライブ写真集~」 (19日)
11月 著書「ガンを生きる」(「HCCの疑いあり」の文庫化)発売 (10日)
12月25日 午前3時35分 肝細胞がんのため、名古屋市内の病院で永眠。>
(池田貴族心霊研究所/所長室/プロフィール/池田貴族闘病史 ※抜粋、原文ママ)

体調の悪化により「心霊研究所」を託す

音楽や書籍の活動に加えて、貴族さんはホームページの運営も積極的に取り組んでいた。デビュー前にコンピューターソフトの制作会社で働いていたこともあって、ホームページを立ち上げたのは芸能界でもかなり早いほうだ。現存する「池田貴族心霊研究所」の源流となるサイト(http://www.sunpark.or.jp/sunpark/kizoku/kizoku/kizoku.htm ※閉鎖済み)は、少なくとも1996年には存在している。

Internet Archiveに残る最初期の「池田貴族心霊研究所」(筆者撮影)
次ページ2冊目の闘病記でもサイト運営に言及
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