「9歳上のバリキャリ妻」を溺愛する30歳夫の人生 「仕事は最小限でいい」と仕事も住まいも変えた

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梓さんはアプリで1歳年下の男性と知り合うことができ、結婚を真剣に考えた。しかし、34歳直前のクリスマスに「軽いDV」を受け、一方的に別れを告げられた。

「今思うと、ちょっとモラハラ傾向があって病的な人でした」

心配そうな尚人さんの前で多くを語らない梓さん。一方の尚人さんも同じ頃に手ひどい振られ方をしていた。同じ職場で交際していた同期入社の女性に「職場内二股」をかけられたのだ。

「ショックでしたが、僕は早く結婚して子どもも欲しかったので翌月には婚活サイトの有料会員になりました。ああいうサイトでは男性は数を打たないといけません。年齢差は気にせず、見た目が好みで趣味が合う人にたくさんアプローチしていました」

あまりロマンチックとは言えない内容を笑わずに話す尚人さん。見た目は爽やかだが中身は素朴な人なのだろう。

9歳下からのアプローチに「詐欺ではないか」

最初は9歳下からのアプローチに「詐欺ではないか」と疑っていたという梓さんも、2カ月ほどメールをやり取りすることによって信頼を深めていった。お笑いや映画が好きという共通点もあり、「一緒に出かけたら楽しいだろうな」と感じていたと明かす。

お互いに結婚が目的であり、メール文通という準備期間もあったため、実際に会ってからは話が早かった。なんとその日に真剣交際をすることになったのだ。

「私の地元まで車で来てくれました。初めてだったのでランチをして切り上げようと思っていたんです。でも、楽しかったのでそのままずっといて、夜景を見ながらお付き合いすることになりました」

オンラインでの情報交換は便利だけど限界がある。リアルで会うと、会話のテンポやちょっとしぐさなど膨大な情報が入って来る。場合によってはお互いの体臭もわかるだろう。事前にある程度の信頼関係が築けていれば、会ったその日のうちに交際に進むのも「大人のリズム」と言えるかもしれない。

実際、結婚パートナーとしての2人は完璧に近いものだった。「仕事は必要最低限でいい。家族が何より大事」と断言する尚人さんは東京の会社を退職し、スキルを生かして梓さんの地元にある企業に転職をした。

年収は下がってしまったが、教員の仕事を続けたい梓さんが落ち着いて子育てできることが一番だと判断。現在は梓さんの両親が持つ敷地内に家を建てて2児を育てている。

「僕は実家でも洗濯や料理をやっていたのでたいていのことはできます。家事分担は特にしていません」

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