コロナ自宅療養になったら「解熱鎮痛薬」の選び方 品薄「アセトアミノフェン」にこだわるべきか

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なかには苦しいかどうかは関係なく、熱が上がりかけたら飲んだほうがいいという考え方もあるが、永井医師はそれには否定的だ。薬によって本当の病態がわからなくなるからだ。もし熱がそれほど上がらなかったとしたら、それは不要な薬を飲んだことになってしまう。

長年、感染症の専門家として患者を診ている永井医師は言う。

「基本的に、新型コロナも含めて感染症の治療には当初は解熱薬を使いません。安易に使ってはいけないと思っています。治ったかどうかの判定はもちろん、抗菌薬などを使っている場合の効果判定(抗菌薬が効いて熱が下がったのか、解熱薬が効いているのか)ができにくいのです。もちろん、発熱による苦痛があれば、使いますが」

即解熱薬でなく、首や脇を冷やすのもおすすめ

そうであれば、熱が出たときはどうしたらいいか。永井医師が勧めるのは、解熱薬を服用するのではなく、首やわき、鼠径部(足の付け根)など体表の近くの動脈が通っている場所に、氷のうや冷却シートなどを当てて冷やす「クーリング」だ。また熱によって奪われた水分を補うためにも、水分摂取も必要だという。

「クーリングをしても熱が上がり続けてつらければ、解熱薬を服用してください。飲んでも熱が下がらないようであれば、医療機関を受診するか、連絡を取って指示を仰ぐなどしましょう」

最後に、オミクロン株BA.5で起こりやすい喉の痛みについて。

アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬を使えばある程度治まるという。のどに直接効かせたい場合は、抗炎症作用のあるうがい薬などが市販されているので、それらを使うとよいそうだ。

コロナでにわかに注目されているアセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬。ほかの感染症などのときも対応は基本的に同様になる。いざというときのために覚えておいて損はないだろう。

鈴木 理香子 フリーライター

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すずき りかこ / Rikako Suzuki

TVの番組制作会社勤務などを経て、フリーに。現在は、看護師向けの専門雑誌や企業の健康・医療情報サイトなどを中心に、健康・医療・福祉にかかわる記事を執筆。今はホットヨガにはまり中。汗をかいて代謝がよくなったせいか、長年苦しんでいた花粉症が改善した(個人の見解です)。

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