「匂いや音に敏感な子の母」が抱く12年間の後悔 親が望んでいる反応を子に求めるべきではない

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加藤さんの母:それゆえ、大きな学校行事も休んでいいと思えるようになりました。感覚過敏の子どもたちのつらさを根源から理解することはできませんが、本人が「行きたくない」「やりたくない」という学校行事を我慢させてまで行かせなくとも、別の思い出をつくればよいのだと思えるようになりました。

学校に関わる部分は、学校の理解や先生の協力、クラスのお友だちの理解が必要だと言われがちではありますが、本人の「やりたくない」「行きたくない」に親が耳を傾けられるかが大切なのだと自分の育児を振り返って反省するばかりです。

親と子が同じ気持ちである必要はない

感覚過敏の僕が感じる世界
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親子間の関係に話を戻しますと、息子の行動を親の望む方法に導こうとする考えがいっさいなくなりました。同じものを見て触れても、感じるものが人それぞれ違い、親が望むような反応を子どもがしなくても、落胆する必要はないのです。

親が美しいと思うものを子どもも美しいと思ってほしい。親がおいしいと思うものを子どももおいしいと喜んでほしい。そう思うのは親のエゴです。コミュニケーションにおいて、同じ体験や感情を分かちあえることはすばらしいことでしょう。ただ、同じである必要はないのです。それなのに、なぜ私たちは、無意識のうちに「みんなと同じ」を求めてしまうのでしょうね。

加藤 路瑛 「感覚過敏研究所」所長

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かとうじえい / Jiei Kato

2006年生まれ。17歳。株式会社クリスタルロード代表取締役社長。感覚過敏研究所所長。聴覚・嗅覚・味覚・触覚の感覚過敏があり、小学生時代は給食で食べられるものがなく、中学生になると教室の騒がしさに悩まされ中学2年生から不登校。その後、通信制高校へ進学。子どもが挑戦しやすい社会を目指して12歳で親子起業。子どもの起業支援事業を経て13歳で「感覚過敏研究所」を設立。感覚過敏の啓発、対策商品の企画・生産・販売、感覚過敏の研究に力を注ぐ。

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