ジム・ロジャーズ「現状では米中戦争は不可避だ」 「10~15年後の戦争」回避のためにどうすべきか
「戦後77年」となりますが、日本は奇跡的に平和と繁栄を続け、これまでは「平和ボケ国家」とも言われていました。そのために、財産をより安全な場所に保管したり、有事の際に別の拠点を持つなどのリスク管理をしている人が外国人に比べて少ないように感じます。
時間のあるうちに、自分の資産について再考すべき
シンガポールで他のアジアの国々、さらにはヨーロッパの人々などと話をすると、台湾有事は確実に起きるという認識を持っている人が多いと感じます。そのときに、どの国が資産の置き場として安全なのか、どの国で子供の教育を受けさせるべきかなどの議論をすることもあります。
シンガポール、スイスなどは地理的にも安全で自国の軍隊も強く、金融システムや商品も発達しており、資産を置く場所としては優れています。また、オーストラリアやニュージーランドもよい大学も多く、日本人にとっては住みやすいようです。円安が進む中、まだ円の価値が保たれている間に日本以外の拠点を作るなども考えられます。
また、もし本当にアジアなどで戦争が起こった場合、「資産は安全通貨にしておくべきだ」とロジャーズ氏はつねに言っています。私たちは、戦争時は政府が戦中にある国の金融資産や通貨を封鎖する傾向があるということを、今回のウクライナ情勢で目の当たりにしました。また、近隣のポーランドの国債の価格も乱高下するなど、影響を受けました。ポーランド国債については、日本政府もそれなりの額を保有しています。
国や通貨を間違えてしまうと、万一の際に資金を外に出せなくなったり、最悪の場合は手持ちのお金が全部消えてしまうリスクもあるのです。
台湾有事に関しては、いつかは起こると言われていますが、それまでにまだ時間は残されているのかもしれません。今のうちに各人がライフプランを考えたり、資産の保全方法を再考するべきタイミングなのではないでしょうか。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
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