また、コーチがフィードバックにさらなる深みをもたらしてくれる。コーチは単にはげまし、集中ぶりを分析してくれるだけでなく、選手が見逃したかもしれない小さな技術的ミスに目を光らせている。コーチの強みは、選手に欠けている視点——外から内を見る視点を持っているということだ。選手は屋内で自分の練習風景をおさめたビデオを観るときにしか、第三者の視点にアクセスできない。これでコーチと練習について話し合えるようになり、さらなるフィードバックがもたらされる。
プロゴルファーと素人プレーヤーの明白な違い
今度は素人とプロが練習ラウンドをまわる場合を考えてみよう。素人プレーヤーは18ホールをまわってフェアウェイやグリーンのはじからショットを成功させ、一日を終えて気持ちよくコースをあとにする。しっかり集中していたし、経験から学んでいるが、フィードバックは最大限に活かせただろうか?
プロのラウンドは、これ以上はないというほど違っていた。どのショットも一球にはとどめず、ライごとにいくつかボールを打って、一つひとつ意図していた結果が出せるか注意深く見守る。困難なショットやふつうでないショットがあれば、半ダースもの球を打って、コンペで似たような状況に陥った際に貴重な役割を果たすフィードバックを得た。
難易度の高いライから一球しか打たない素人プレーヤーは、ショットを修正するフィードバックを得られないため、コンペで似たような苦境に置かれても、やみくもに打ってしまう。
ジャック・ニクラウス——目的性訓練の達人——は、一打ごとに達成したいことについてつねにはっきりした考えを持っていた。「練習でも、非常にくっきりしたイメージをはっきり思い浮かべずに打ったことは一度もない」と、彼は語っている。
「カラー映画のようだよ。まずボールを届けたいところにボールがあるのが『見える』。美しく真っ白なボールがあざやかな緑のグリーン高く浮いているところがね。その光景がたちまち変わってボールがそこへ向かうところが『見える』。そのコース、軌道、かたち、そして地面に落ちたときの動きも」。
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