戦後77年、改めて学びたい「太平洋戦争」勃発の訳 1929年の世界恐慌がもたらした領土拡大政策
世界恐慌によってアメリカ向けの生糸輸出が激減
なぜ太平洋戦争が起こってしまったのかを理解するためには、日本やアメリカはもちろん、その他の国も含めて、当時の世界がどういう状況だったのかを見ていく必要があります。
太平洋戦争が始まる12年ほど前、1929年に世界恐慌が起きます。世界恐慌というのは、アメリカ企業の株価が大暴落したことにより、アメリカ国内の経済状況が極端に悪化し、アメリカに経済的に依存していた国々も二次的に恐慌に陥って、世界中で大不況となったことを指します。世界中が大不況になったということは、つまり、世界中でものが売れなくなったということです。
日本も例外ではありません。当時日本はアメリカに大量の生糸を輸出していたのですが、ほとんど買ってもらえなくなりました。
今までたくさん買ってもらっていたものが買ってもらえなくなった……となると、何か新しい手を打たないと日本国内はどんどん貧しくなっていってしまう一方です。
主要な貿易先を失って途方に暮れていた日本は、これからは貿易に頼らずに、自力で生きていく力をつけよう!と考えて、領土拡大政策をとるようになります。
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