「食品値上げ」話題ピークから株価はどう動くのか 過去のGoogle検索データの推移をもとに分析

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値上げが相次ぐ食料品(写真:當舎慎悟/アフロ)

食品の値上げラッシュが続いています。ロシアのウクライナ侵攻により世界的に小麦が供給不足になっていることに加えて、原油高によるガソリン価格の値上がりから物流費が上昇。さらに、円安により輸入している原材料の価格が高騰したことなどが背景にあります。

食品メーカーにとって、原材料価格が上がると製品を作るのにコストが増えてしまうため、販売価格を上げないと利益が減ってしまいます。とはいえ、なかなか給料が上がらない日本では、日用雑貨品や食料品などの消費者に近いモノほど値上げしづらい状況にありました。値上げすると、消費者が別の低価格品に流れてしまいメーカーが売り上げを落としてしまうからです。

また直接、消費者に販売するスーパーなど小売店も売り上げ減の影響を受けるため、メーカーの値上げには消極的な姿勢となります。しかし今年の4月以降は、とりわけ電力料金や家電製品など多くのモノで値上がりが続いてきました。世間で値上げに対してある種の“あきらめ”ムードも見られてきたなかで、食品メーカーも値上げへの抵抗感が下がり、再値上げ・再再値上げへの動きまで見られています。

8月1日に帝国データバンクから発表された『「食品主要105社」価格改定動向調査』では、「8 月単月での値上げは 2431 品目に上り、単月で初めて2000品目を超えた」が、「10月は6305品目で値上げ計画が明らか」とされています。今後も食品値上げが続くようです。そこで今回は「食品値上げ」の話題が株式市場や食料品株にどのような影響を与えているのかを紹介します。

「Googleトレンド」の検索推移と株価の関係

物事が世間でどの程度、話題になっているのかを知るには「Googleトレンド」がよく使われます。Googleで特定のワードがどれほど検索されてきたかの推移がわかるのです。

実際に「食品値上げ」のワード検索数の推移を観察してみました。期間は2007年1月から2022年7月までで月次とします。Googleトレンドでは検索数がそのまま示されるものではなく、期間内で「食品値上げ」の検索数が最も多かった2022年3月を100(図1中の青丸)として、0から100までの値に変換されています。

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