名鉄とJRどっちが優位?「名古屋近郊」の競合区間 スピードや運賃、利便性を区間ごとに比較
名鉄とJR、どっちが速い?
名鉄とJR東海の〝ライバル決戦〟は終結したようでもある。負けるが勝ち? 名鉄はスピードよりきめ細やかな地域密着ダイヤと、使いやすい企画商品(割引切符)などで活路を模索した。
中部圏のゲートシティー=名古屋を介し、中京地区の主要都市を結ぶ鉄道は、名鉄名古屋本線とJR東海道本線。近年はJRが豊橋ー名古屋間で東海道新幹線も地域輸送に加えるなど、3つの動脈がシェアの拡大をめぐる「サービス合戦」を展開している。使いやすさを考慮した割引切符の導入や新型車両の投入、緩急連絡を主体としたダイヤなど、アイデアを駆使した施策を利用客は理解し、各社の利点をうまく使い分けるようになった。
名鉄名古屋本線とJR東海道本線。豊橋ー岐阜間で路線が競合するルートを見ると、名古屋ー岐阜間はつかず離れずのスタイルで走るが、豊橋ー名古屋間はJRが海側を、名鉄は山側を通る。豊橋ー岐阜間だと距離的にはJRが102.7㎞で名鉄の99.8㎞より2.9㎞長い。比較的平坦で駅間が長くスピードが出しやすいJRに対し、名鉄はカーブが多く、拠点・起終点には隘路(あいろ)もある。
こうした状況下でもあり、豊橋ー岐阜間の所要時間はJRが最速72分(下り特別快速)、名鉄は同79分(上り快速特急)とJRが優位。対名古屋で区間を分けると、豊橋ー名古屋間は名鉄が速く、名古屋ー岐阜間だとJRが速い。かつては豊橋ー名古屋間もJRが速かったが、諸般の事情で名鉄が逆転した。本章ではJR優位の名古屋ー岐阜間の現状、名古屋ー豊橋〝名豊決戦〟の結果などを踏まえ、新時代の名鉄の営業施策を覗いてみた。
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