東京人の知らない名古屋「着席通勤」の実態 快適性と速達性、求められるのはどっち?

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JR中央本線のホームライナーにも使われる電車、313系8000番台(写真:IK / PIXTA)

東海旅客鉄道(JR東海)・私鉄・地下鉄が接続する東海地方最大のターミナル、名古屋駅。1日乗車人員はJRの名古屋駅だけで20万5000人(2015年度・JR東海)にのぼる。名古屋駅を中心とする旺盛な通勤・通学需要を背景に、JR東海の名古屋エリアでは通勤向け有料列車が各路線で運行されており、速達サービス・着席サービスによる快適通勤を可能としている。

速達サービスの代表格は東海道新幹線で、在来線では主に特急と「ホームライナー」が快適通勤に対応している。JR東海の「ホームライナー」は「通勤・通学にゆったり座れる」ことをセールスポイントにしており、全席座席指定制であるにもかかわらず、乗車整理券は320円と安価な料金設定となっている。また、快速に指定席を設定し、快適通勤に対応している線区もある。

今回は、平日におけるJR東海名古屋エリアの「ホームライナー」や特急列車などの通勤利用の視察を通して、通勤向け有料列車が高い乗車率を確保するための条件を考察し、それを踏まえて、同エリアでの通勤向け有料列車の利用促進と地域活性化への方策を提案したい。なお、乗車日はすべて2017年3月4日のダイヤ改正前である。

新幹線通勤も多い豊橋-名古屋間

最初に乗車したのは、早朝の東海道新幹線である。豊橋駅6時45分発「こだま693号」(列車番号:693A)に乗車するためホームに入ると、すでにスーツ姿の人たちなどで列車を待つ列ができていた。「こだま693号」が到着しドアが開くと、並んでいた人たちが一斉に乗車する。筆者も5号車普通車自由席に乗車し、着席することができた。

5号車の乗車率は7割程度。わずか25分で名古屋駅に到着すると、大量の旅客が次々と下車した。さっそく改札口へ向かうと、新幹線定期券で改札を通過する旅客が多く見られた。

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