東京人の知らない名古屋「着席通勤」の実態 快適性と速達性、求められるのはどっち?

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続いて、在来線各線の様子を視察した。JR東海名古屋エリアで通勤向けの有料列車が走るのは、中央本線、東海道本線、関西本線の各線である。

中央本線においては「ホームライナー瑞浪」が名古屋駅-瑞浪駅間、「ホームライナー中津川」が名古屋駅-中津川駅間で平日通勤時間帯にそれぞれ運行されているほか、「ホームライナー多治見」が平日朝上りのみ多治見駅から名古屋駅まで設定されている。また、特急「しなの」も通勤時間帯を含む終日、名古屋駅-長野駅間(他駅発着の臨時列車あり)で運行されている。

今回、中央本線では名古屋17時58分発の「ホームライナー瑞浪1号」瑞浪行き(列車番号:2681M)に乗車した。一般列車との兼用車両である313系8000番台の3両編成2本を連結した6両による運行で、「ホームライナー」運用時は、片側に3つあるドアのうち中ドアが締切となる。筆者が乗車したのは1号車である。

「ホームライナー瑞浪1号」は、中央本線名古屋市内の複数の主要駅に停車し、途中駅からの着席需要に応えている。名古屋駅から4つ目の大曽根駅(18時12分発)でまとまった乗車があり、この時点での乗車率は約8割に達した。大曽根駅の次は、名古屋駅から31分の多治見駅に停車。ここで大量の下車があった。次の土岐市駅でもまとまった下車があり、名古屋駅から44分で到着するこの列車の終点、瑞浪駅で下車したのは約40人だった。

東海道線のライナーはガラガラ

東海道本線の名古屋駅-岐阜駅・大垣駅間では、通勤・通学利用向けに「ホームライナー大垣」が運行されている。また、特急「ワイドビューひだ」「しらさぎ」が運行されており、いずれも定期券と料金券の組み合わせでの乗車が可能である。

この区間では、名古屋20時48分発「ホームライナー大垣1号」大垣行き(列車番号:2981F)1号車グリーン車指定席に乗車した。西日本旅客鉄道(JR西日本)の特急形電車、683系6両編成による運行である。

乗車時の「ホームライナー大垣1号」の乗車率はグリーン車・普通車ともに約3割であった。1号車は最初の停車駅、尾張一宮駅で早くも下車があり、その後は岐阜駅で数人、名古屋駅から34分の大垣駅で下車したのは数人だった。

この区間では、料金不要の快速・新快速・特別快速でもホームライナーや特急と所要時間の差がほとんどなく、また名古屋駅-岐阜駅間では名鉄名古屋本線と並行するため、この区間のみで完結する有料列車は高い乗車率は見込みにくいのかもしれない。

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