「食品値上げ」話題ピークから株価はどう動くのか 過去のGoogle検索データの推移をもとに分析

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直近の2022年7月の値は42です。これは最大であった2022年3月の42%の検索数だったということです。実際の食品値上げはさらに秋にかけて加速する予想ではありますが、話題は先行するため、検索ピークは3月だったようです。とはいえ、42でも過去からの推移でみれば高い水準です。

2007年以降「食品値上げ」の検索に4回のピーク

図1を見ると、2007年以降で食品値上げの検索数は、今回も含めて4回のピーク(山)がありました(図1の4つの丸)。

2008年6月に、ピークとなる94まで達した場面(図1中の緑丸)は、世界的な穀物価格高を背景に食品メーカーが相次いで値上げしました。その要因ですが、バイオ燃料として使われるトウモロコシの量が増加したことや、アジアでの中産階級の人口が増えて穀物消費が増えたこと、そして穀物などの商品市場に投機マネーが流れたことなどがあります。

2015年3月(51)をピークとした場面(図1中の赤丸)では、足元と共通点も多いようです。前年にはロシアによるクリミアの併合が行われるなど、ウクライナ情勢が緊迫化したなかで穀物価格が上昇。その後はカナダ産小麦の大豊作から小麦価格は下がったものの、2012年末からの安倍政権によるアベノミクスを受けた円安進行で、1ドル70円台で推移していた円ドル相場は、2015年には1ドル125円台にまで円安となったことが背景にあります。

2019年3月(60)をピークとした場面(図1中の黒丸)での食品値上げは、原材料費の上昇がありますが、イラン産原油の禁輸措置による原油価格高による物流コストや人出不足による人件費が上昇したことが背景にありました。

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