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「天丼てんや」人気支える味への徹底したこだわり 年7回限定品で訴求、看板商品は500円から値上げ

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  • 高井 尚之 経済ジャーナリスト、経営コンサルタント
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「天ぷらが高かった町食堂」を知るシニア世代にも人気だ。「年金支給日の偶数月15日には、店内がにぎわい、持ち帰りでも少し価格帯の高いお弁当も頼まれます」という。

1989年9月、開店当時の八重洲店(写真:ロイヤルホールディングス)
各店舗に置かれている「てんやおじさん」。モデルは創業者の岩下氏だ(写真:ロイヤルホールディングス)

店舗拡大のカギは「箱根の山を越えられるか」

ご存じのように、コロナ禍で外食市場は大きな打撃を受けた。それ以前から「てんや」は店舗拡大を見直しており、かつては200店を超えた店舗数も近年は150店規模。店舗の大半は首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)に集中する。今後、箱根の山を越えて中部以西に展開する意欲はあるのか。

「てんやが目指すのはナショナルチェーンです。ブランドとして『あなたの街のてんや』も掲げており、今後も駅前商店街を中心に展開していきます。これまで関西には店舗数が少なかったのですが、関西の人が天ぷらや天丼を食べないわけではありません」

生田氏は、「関西の飲食店の『うどんセット』も玉子丼、他人丼、親子丼、天丼と揃っていて、天丼は200円ぐらい高い存在でした」とも説明する。市場の可能性はありそうだ。

また、「コロナ禍の飲食で、消費者は『時間と場所を選ばなくなった』『外食・内食・中食の境目がなくなった』」──とも認識する。外食大手の同社は、「中食」(なかしょく/総菜や弁当などを買って自宅で食べること)の冷凍ミール「ロイヤルデリ」にも力を注ぐ。

「てんやも、店によっては持ち帰り率が6~7割という店もあります。お客さまご自身が買いに来られるだけでなく、デリバリーで注文される割合も高まっています」

取材日の前はシンガポールに渡航し、現地のてんや店舗をはじめ、海外市場も視察した生田氏。さらなる海外出店にも意欲を示し、国内と両輪で展開していく。中期的には若い世代の開拓も課題だ。「天丼てんや」が、今後どう進めていくのか注視したい。

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