そして、次の朝は普通に出社してみました。その足で上司のデスクに行き、謝罪したところ、上司も謝罪してくれたのです。「お前が感じていた怖さがわかった」って。
今思えば子どもじみていたなと恥ずかしいのですが、あれがあのときの私の精いっぱいの自己主張だったのです。それからは、上司も私が持つ情報を共有しようとしてくれるようになり、私は随分と気持ちが楽になったのを覚えています。
損な役回り? あなたは出世が近いのかも
この方法は、オカンで言うと、「プチ家出」です。いつも甘えていれば、なんとかしてくれるオカンが、ある日ぷいっといなくなる。今までなんとかなったことが、なんともならなくなるのです。オカンの存在の大きさや感謝もせずに甘えていたことを、さすがのカツオも思い知ることでしょう。
イライラしていても、あなたへの甘えの構造は変化しません。そして「オカンに徹する」ほどあなたの腹も据わっていない。だとしたら、カツオくんたちがしでかしたミスを、1、2度スルーして本人たちに責任を取らせる、あるいは、私のようにふいに1週間くらい有休を取ってドタバタさせてやったらどうでしょう?
上司には事前に申請しておけば問題ないはずですし、スルーするミスだって致命的ではないものを選べば大丈夫のはず。少し懲らしめてあげて、「いつまでも、オカンがフォローすると思ったら大間違いよ。あなたと私は同じ仕事してるんですからね」と、涼しく捨てゼリフを吐いてやりましょう。
きっと、多少スッキリして、また次の日からオカンの仕事もでき、かつ、カツオくんたちも「オカンは限度を超えると怖い」と少しはビビり始めることでしょう。せめて、「いつもありがとう」「助かってる!」くらいは言うようになるかもしれませんよ。
ところで、蛇足かもしれないけれど、オカン的ポジションは、「損な役回り」なのでしょうか。あなたを取り巻く環境を、ちょっと「幽体離脱」して、客観的に眺めてみたらどうでしょう? あなたのオカン的仕事ぶりが、優れていればいるほど、あなたの存在感は大きくなり、きっと評価もされているはずです。同じ仕事をしているメンバーの中で、いち早く「上司的な役割」を体験しているともいえます。
実際に上司として抜擢される日も近いのかも。どんなオカンを演じ、どんなスキルを習得するかはあなた次第です。少し、カツオたちを懲らしめたら、気持ちを切り替えて、「スーパーオカン」「ゴッドマザー」になるべく、精進してみたらどうでしょう? きっと、あなたの成長チャンスになるのではないかと私は思いますよ。
※お悩み相談はこちらのアドレス(onna-sodan@toyokeizai.co.jp)まで
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら