「日産リーフ」より「テスラ」がEVの主役になった訳 イノベーションなんて誰も使いたがらない理由
内田:一方、採用で苦労している企業が、違う人を採ったらどうだったかというのは、絶対に試せない実験です。厳密にやるなら、100人中50人は従来基準で採用し、あとの50人は本来の不合格者を採用して、2年後、3年後、5年後、10年後に、どちらの群がよかったかを検証しないといけない。これをメンバーシップ型の雇用を行っている日本企業で実行することは不可能。ただ今は、割とそれに近いことができる環境になっています。ウェブの世界でジョブ型の雇用なら、今まで採用しなかった人を採って、ダメなら、さよならというのも可能かもしれませんね。
牧:そういった分析手法を専門用語で「自然実験」と呼びますが、確かに、今の時代にはアカデミックな検証もやりやすくなっていると思います。
本は「興味」で読んで、「実践」へ
牧:私の本『イノベーターのためのサイエンスとテクノロジーの経営学』は少し難しいので、すべてを理解しようとするよりも、パラパラとめくって、自分にとってわかりやすいところ、興味がもてるところから読み込んでいただければと思います。たとえば、行動変容であれば、ピア・エフェクトの話が出てきます。付き合う人を変えて、定期的に会うようにすると、行動変容が継続しやすくなると思います。
内田:本には2種類あると思います。正しいけど面白くない本、正しくないかもしれないけれど、面白い本(笑)。『イノベーションの競争戦略』は後者でしょう。大事なのは、本を読んでヒントや気づきが得られたら、それを使えばいいし、実体験とは違うと感じたら、そういう問題意識を持って、本格的に勉強したり、実践したりすればよいと思います。まず自分が興味を持つことが大事だと思います。
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