日本は4軒「世界のベストレストラン50」が注目の訳 これまでのレストラン評価と異なる点とは?

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レストランを評価するシステムとして歴史と知名度があるのは、なんといってもミシュランだろう。ミシュランがレストランを星で格付けする方式が開始されてほぼ100年。「評価に応じて星をつける」というシステムは、料理以外のさまざまな分野のランキングで形を変えて使われているほどだ。

ベスト50の店の選ばれ方は、ミシュランと本質的に異なる。ベスト50は全世界のレストランが対象で、投票者が行ったことのある店から選ばれる。社員である覆面調査員が、ある1つの国や地域の店を対象に味の評価をしていくミシュランとは対照的だ。

それはすなわち、ゲストに「見つけてもらう」ため個々のレストランに積極的な情報発信が求められていること、また、自分の店に対して人々に関心を持ってもらう努力が必要とされているということだ。

おいしさ以外の点も評価対象

日本は料理の味の点だけみれば世界でも相当上位に来るだろう。おいしさだけでランキングができるなら、もっとこのリストに日本の店が入っていてもいいはずなのだ。

注意したいのは、このランキングの基準は「おいしさ」だけではないことだ。コミュニケーション能力やネットワーク力、SDGsへの意識など、社会的な問題意識があるかどうかが、近年特に重視されているといえる。

一方で、レストランが評価されるのに立地を選ばない、そのことは特に、ミシュランが選考対象にしていない地方で働く料理人を発奮させた。ベスト50にランクインすることはどこに店があっても可能であり、個人の力次第で、順位という形で結果を出せる。

それは今までなかった料理人の成功像として、世界に挑戦できるストーリー性のある新しい料理人像を作ることになった。いま若い料理人に話を聞くと、「ミシュランで星を取りたい」よりもむしろ「ベスト50にランクインしたい」と言われるほどだ。

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