アメリカがこれから「バブル」になる可能性 どうしても今は利上げがイメージできない

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NYダウの1万8000ドル回復が、そのイメージへ誘導してくれる。ドイツDAX指数の連日の史上最高値更新も、応援しているようだ。

さて日本は?珍しくマーケットで優先される国内事情

アベノミクスの成長戦略の目玉であった農業改革は「佐賀ショック」でとん挫したかに見えた。だが「名目的」とはいえ、佐賀県知事選敗北後、逆にJA全中改革が動き出し、その中で安倍内閣の巻き返しも見えた。少なくとも当面は、期待感が先行しそうだ。

株価に影響を与える需給関係も見ておこう。日本株の需給環境は、裁定買い残として安定的といわれる3兆円割れ(2月6日現在、約2兆6000億円)に見られるように、極めて良好と言える。ほぼ終わった企業の決算でも、円安効果が現れ始めている。

今週は16日月曜日の2014年10-12月期GDP,同12月鉱工業生産から始まって、17~18日には、日銀金融政策決定会合、総裁会見(18日)、さらに1月貿易統計、景気動向指数の発表と、国内の重要イベントが目白押しだ。海外もいつもの指標はあるが、前半はアメリカ休場、後半はアジアの旧正月入りで、珍しく、日本の国内事情が優先する1週間になりそうだ。

前回のコラムで予想したゾーン展開のレベルは、「25日移動平均マイナス1%~プラス3%」だったが、これを1ポイント上げて、ゼロ%~プラス4%に変更する。

つまり、25日移動平均が1万7500円に上がってきているので、今週の予想レンジは 1万7500円~1万8200円となる。

平野 憲一 ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト

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ひらの けんいち

日本証券アナリスト協会検定会員。株一筋約45年。歴史を今に生かすことのできる「貴重なストラテジスト」として、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌への出演や寄稿記事多数。的確な予想で知られ、個人投資家の間には熱烈な「平野ファン」がいることでも有名。1970年に立花証券入社以来、個人営業、法人営業、株ディーラーを経て、2000年情報企画部長マーケットアナリストとして、投資家や各メディアに対してマーケット情報発信をスタート。2006年執行役員、2012年顧問就任。2014年に個人事務所ケイ・アセット代表。独立後も、丁寧でわかりやすい解説を目指す。

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