4000匹を救出「ビーグル繁殖所」のおぞましい実態 負傷した犬を麻酔打たずに安楽死させた例も
エンヴィゴがこの施設を買収した後の2021年7月から始まった視察で、裁判資料によると連邦政府当局は、この場所で長い間ビーグルは虐待され、危険にさらされ、しばしばふんや生ごみが数センチも積み重なった中で生活していたと記述している。
エンヴィゴは連邦機関への告訴にある具体的な主張内容についてコメントしていない。同社の弁護士もコメントの要求に応じなかった。
約7カ月間で300匹以上の子犬が死亡
訴状によると、2021年1月1日から2021年7月22日までの間、この施設で300匹以上の子犬が死亡し、死因は「原因不明」と記録されていた。
左足がフローリングに挟まっていたメスのビーグルを職員が発見したのは、2021年7月の施設視察のときだった。「ビーグルは速く苦しそうな息をしながら小さく動き、ほかの3本の足で立っていた。犬舎の中にいた別の3匹が興奮しながらそのビーグルの周りを飛び跳ねていた」7月の視察報告書にはそう書かれていた。
視察報告書によると、その視察中に職員は、敷地内の建物の1つには1台の大きな扇風機と2台の換気扇以外に犬用のエアコンがないことにも気がついた。その日の室内の温度は華氏80度後半から90度前半(摂氏約32度)を記録していた。
この違反行為の報告を受け、民主党・バージニア州選出のエレイン・ルリア下院議員ほか6人の議員が2月に農務省動植物検疫局に書簡を送り、エンヴィゴのライセンス停止か動物の差し押さえを訴えた。
その翌月、バージニア州民主党のマーク・ウォーナー上院議員とティム・ケイン上院議員は同検疫局に改めて書簡を送り、エンヴィゴ社の施設で報告された「継続的かつ言語道断の違反行為」に基づき、同社のライセンスの即時停止を呼びかけた。