民主主義は「物語への過剰な愛情」と共存できるか 「ストーリー」のあふれる世界と権威主義の勝利
時代や社会は神話で動く
「時代や社会は、政治や経済に関するさまざまな理念や主張によって動くように見える。だが、それらの理念や主張の根底には〈世の中はこうあるべきだ〉という共有された物語、つまり神話がひそんでいる。言い換えれば、時代や社会を真に動かすのは神話なのだ」
これは私が2021年に制作したオンライン講座『自滅的改革が支持されるメカニズム 日本人を惑わす「贖罪と統合」の罠』(経営科学出版)の基盤をなすコンセプトです。
では、なぜ「物語」がそこまで重要なのか?
われわれ人間は、自分自身の人生にも、また自分を取り巻く世界にも、「意味」を求めずにはいられないのです。
理不尽や不条理がまかり通るようでは、何を信じ、どう行動すればいいのか、分からなくなってしまうではありませんか。
とはいえ、現実世界はしばしば理不尽で不条理。
かくして人間は、「物事には筋の通った意味がある(ないし、意味がなくてはならない)」という視点のもと、現実世界を解釈し、再構成することを学びました。
物語とは、くだんの解釈や再構成の産物にほかなりません。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら