ピアニスト、指揮者、社長、反田恭平が開く新境地 「クラシック音楽をビジネスとして成功させる」

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いちばんショックだったのは、舞台に立つ側の人から、「今、人を集めるのは人殺しだ」と言われたことです。多くの同業者が生活の糧と演奏機会を失おうとしているときに、そんな言葉が出てくるのか、と。

どうすれば演奏家が演奏家としての活動を止めずにいられるのか。できる限り安全にいろいろな可能性を模索しようと、皆で必死に考え行動したつもりでした。それを同じ音楽家から頭ごなしに全否定されたのはこたえました。

当時は、新型コロナウイルスがどんなものかわからなかったし、皆が怖い思いをしていたので、仕方がなかったとは思います。でも、日本のクラシック音楽業界の体質の古さ、変化を嫌う姿勢を、改めて目の当たりにすることになった。

今だから笑って話せるけど、当時の10日間ほどはちょっとしんどかった。矢面に立ち、発言・発信していかなければいけない立場でしたから。ただ、結果論ですが、コロナ禍は今も続いているので、あのとき先鞭をつけられてよかったと思っています。

会場で生演奏を体験してもらいたい

若手演奏家で構成するJNOのメンバー(写真:Kenryou Gu)

――2021年5月には、オンラインサロン「Solistiade(ソリスティアーデ)」を立ち上げています。

僕が主宰するオンラインサロンでは、JNOメンバーによる楽器演奏指導(クリニック)の動画を配信するほか、コンサートチケットの優先予約なども行っています。年会費3万円のプレミアム会員と5000円のレギュラー会員を合わせると2022年5月時点で約2600人。この応援団の存在が僕たちの強みです。

ファンの皆さんとの交流は、演奏家自身が成長する機会でもある。今後もファンミーティングやゲネプロ(最終リハーサル)見学、メンバーによるレッスンなど、接点を増やしていく予定です。

――つまり、演奏家にとって重要なのは「リアル」だと。

オンラインの取り組みにも力を入れていますが、それは手段。あくまでもオフライン、リアルにこだわっています。演奏会やイベントに足を運んでいただくために、オンラインでの活動をしている面もある。

もちろん、事情があって会場に来ることが難しい人は大勢いて、その人たちとオンラインでつながりを持てるようになったのは重要な変化です。ただ、やはり会場で生演奏を体験してもらいたい。

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