「頭のいい人」が実は身につけている思考法の正体 問題解決できる人が持つ「関係を科学する」発想
(原因)人材育成をする発想がない→(結果)管理職が仕事をしていない
もしこの「管理職が仕事をしていない」という問題を解決したいなら、「人材育成をする発想がない」という事実を変えないといけません。つまり問題解決するための施策が明らかになります。極めてシンプルな例でしたが、原因と結果は矢印(→)でつなぐことで表現できること、問題解決できる人はつねに矢印(→)で思考していることが伝わったでしょうか。
因数分解した後にすること
前回の記事「問題解決が苦手な人は『因数分解』をわかってない」で、私は「因数分解思考」をご紹介しました。例えばビジネスパーソンが「上司から信頼されていない」という問題を解決したいとします。解決するために具体的に何をすべきかを明らかにできる人は、そもそも「信頼」というものがどのような要素がどう関連づけられて決まるものかを考えるでしょう。例えば次のような因数分解をしたとします。
信頼を高めるものは何よりも仕事の成果であること。逆に信頼を損なうものは上司への態度の悪さとコミュニケーション不足。前者は増やす(高める)ものであり、後者は減らす(改善する)ものとなります。それぞれ増やす(減らす)ためには何をどうするのかを考えることこそ、まさにビジネスパーソンに必要な問題解決力にほかなりません。
ところで、ここで表現された各要素の関係を考えてみます。特に原因と結果の関係になっているものを探るのです。
もしこのビジネスパーソンが上司への態度が悪いことを自分で認識しているならば、そこにある種の気まずさや引け目を感じているかもしれません。それは結果として両者のコミュニケーション不足につながるでしょう。それは当然ながら上司からのサポートやアドバイスなどが減ることを意味します。結果的に成果をあげることを阻害することになるのは容易に想像できます。この内容を矢印(→)でつないで表現すると、次のようになります。
「態度が悪い」と「コミュニケーション不足」は改善するものであり、「仕事の成果」は高めるものです。そして2つの矢印(→)によりこの3つは原因と結果でつながっていると考えることができます。ならば「上司から信頼されていない」という問題を解決するためにまずするべきことは、「態度が悪い」を改善することと結論を出すことができるでしょう。
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