一工夫で絶品「コーヒー」自分でおいしく淹れる技 初心者でも簡単!コーヒーハンターが伝授

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コンビニコーヒーは言ってみれば新たな文化であり、「こんなコーヒーをおいしいと言ったらバカにされるかな」などと臆することはありません。今やコンビニコーヒーがコーヒーのベンチマークになり、ホテルや喫茶店のコーヒーと比較されています。

ただし残念なのは、あれを「最高級豆使用」とか「厳選したコーヒー」とコンビニが宣伝していること。まあ、広告代理店のコピーライターが考えたことでしょうが、それは単なる言葉遊びです。本当にそんな高級な豆を使ったら、あの値段では売れません。

豆の品質を明確に消費者に伝える努力をしていないので、いつまで経ってもコーヒーは、ワインと同様の嗜好品になれません。堂々と「コモディティコーヒーの中から選び抜いた豆を使い、100円で売れる最上を目指しました」と言ってほしいところです。

おいしさの基準は自分で作るしかない

消費者の方々は、純粋に「自分が一番おいしいと思うコーヒー」を探してください。

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それから、今飲んだコーヒーがすべてだとも思わないでいただきたい。まだほかに、もっとおいしいコーヒーがあるはずです。自分なりに試行錯誤して、おいしいコーヒーを探してください。

初心者の方ほど基準をほしがりますが、現在のコーヒー市場には明確な基準がないので、おいしさの基準はある意味、自分で作るしかないのです。

その際には、味としては冷めてもおいしく、酸味と甘味が感じられる、という点を意識するといいでしょう。払った金額に見合った品質かどうかも、合わせて意識してください。

私が提唱した言葉に「コーヒーはフルーツ」があります。フルーツと言われたら、皆さんは何を期待されますか。そう、酸味と甘味ですよね。そうした味わいに優れているのが、おいしいコーヒーであるといえます。

José.川島良彰 コーヒーハンター

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ほせ かわしま よしあき / José Yoshiaki Kawashima

1956年静岡県生まれ。1975年中米エルサルバドル国立コーヒー研究所に留学し、コーヒー栽培・精選を学ぶ。大手コーヒー会社に就職。ジャマイカ、ハワイ、インドネシアで農園開発を手掛け、マダガスカルで絶滅危惧種の発見と保全、レユニオン島では絶滅したといわれた品種を探し出し、同島のコーヒー産業復活を果たす。2007年に同社を退職後、日本サステイナブルコーヒー協会を設立し、2008年にミカフェートを設立。

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