一工夫で絶品「コーヒー」自分でおいしく淹れる技 初心者でも簡単!コーヒーハンターが伝授

拡大
縮小

いわゆるサードウェーブ・ブーム以降の昨今は、北欧などで流行する浅煎り、超浅煎りのコーヒーがもてはやされる傾向にあります。

浅く煎ったほうが香りが立つというのが根拠ですが、北欧のやり方をそのまま真似をするのは違うと思います。コーヒーは浅く煎るほど酸を強く感じます。北欧の硬水で抽出すれば酸を抑えてくれますが、日本の軟水ではそれがストレートに出てしまいます。「レモン水のようなコーヒー」などと言われはするものの、私にはただの酸っぱい薄いコーヒーです。

また香りの点で言えば、密度の高い豆を使えば、もっと飲みやすい焙煎度でもロースト臭に負けず十分香りは保っています。さらに1人当たりの年間消費量が日本の2倍も3倍もある北欧の人々が、毎日高価なスペシャルティコーヒーを飲んでいるわけがなく、非常に造られたトレンドだと感じてしまいます。

とはいえ、最終的には個人の好き好き。トレンドだからといって浅煎りを無理して飲まなくてもいいし、逆に昔ながらの「ガツンとした」強さばかりのものでコーヒーを嫌いになってほしくもない。おいしいコーヒーは、自分で飲んで、自分で見つけてほしいと思います。

裾野を広げてくれたコンビニコーヒー

例えば安価で知られるコンビニコーヒーも、私はすごく評価しています。日本でのコーヒーの第4の波、フォースウェーブは、コンビニコーヒーだと私は思っています。またコンビニコーヒーは、日本のコーヒー業界の救世主とも言えます。100円程度であのクオリティは立派であって、価格の割においしい。

運悪く初めて飲んだコーヒーが、未成熟豆の寄せ集めでえぐみや雑味が多く、舌や喉が気持ち悪くて水を飲まずにはいられなかった人もいます。また、抽出して時間が経過し酸化したコーヒーを飲み、胸焼けしたり胃がムカついたりしてしまい、それっきりコーヒー嫌いになった人もいます。

このような何となくコーヒーは苦手な飲み物だと避けていた人たちが、「コンビニコーヒーがブームになっているし、仮にまずくても100円なら惜しくはない」とトライして、「おや?けっこういけるじゃん」と裾野を広げてくれました。

次ページコンビニコーヒーの残念な点
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT