インドは、日本人女性にとって危険なのか 「性的暴行」からの身の守り方
――世界的に見れば特に多いわけではないのですね。
事件の性格上、全体像が正確に反映されたものではないと思いますが、統計上はインドでの事件数が特に多いわけではありません。もちろん「危険がない、安全だ」と言っているわけではないので、誤解しないで下さい。
アジアでは事件発生率が他の欧米やアフリカと比較するとマシなのですが、インドはアジアの中で普通というレベルです。インドの場合、他国では報道されないことも、センセーショナルに報道されています。報道の自由度が高いインドでは、わりと何でも報道します。事件を知ったインド人は問題意識を高め、怒り、デモを行って抗議します。世界と比べて自国がどうかは、あまり気にしません。
考えてみると、この「社会の反応」という点で、ある意味、先進国以上に正常な国ではないかと思います。欧米、中東、アフリカではあまりに当たり前で報道もされず、抗議を行うことも、社会の関心もありません。インドではこうしたことに関心を払い、メディアでも伝えます。
たとえば、つい最近、チェンナイで若い日本人男性がホテルに所持品を残してこつ然と姿を消して行方不明になり、大変なことが起きたようだと全国紙で報道されました。しかし、事の顛末は、彼がホテルの名前や住所がわからずに道に迷っただけで、彼はデリーに行き、日本に帰国していました。
地元警察が必死に捜索したのですが、事件ではなかったのです。しかし、責める人はいません。「なんだ。よかった、よかった」と言っています。この件は、日本で報道されていません。旅行者が多くの普通のインド人に守られていることもひとつの事実です。
被害を避けるためのポイントは?
――邦人が被害を避けるにはどうすればいいでしょうか。
駐在員や出張者などが被害に遭う可能性は、非常に低いと考えられますが、土日に旅行する人は多いので、観光地では注意が必要でしょうか。自分のクルマか、ホテルのタクシーを使って行動していれば、まったく問題は起きません。
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