インドは、日本人女性にとって危険なのか 「性的暴行」からの身の守り方
――被害状況、犯行状況は。
邦人が被害を受けた事件では「観光ガイド」「安宿」が絡んでいることが多いです。悪質なのは、被害の前に提供された飲み物を飲んでいるケースです。飲んでしまえば防ぎようがありません。
つまり、昏睡強盗の末に起きていることも多いようです。見ず知らずの人から渡された食べ物、飲み物を不用意に食べたり、飲んではいけないということですね。
デリーがいちばん危ない
――具体的にどの地域が危ないのですか。
最も危ないのはデリーです。政府の犯罪記録局の統計でみると、州(および連邦直轄地)別で最もレイプ犯罪の発生率が高いのがデリー準州で2013年に1636件発生しました。
都市別でみても、デリーがいちばん高く1441件です。これはほかの5大都市バンガロールの80件、コルカタの75件、チェンナイの83件、ムンバイの391件と比較すれば、一目瞭然です。
――こうした事件は増えているのでしょうか。
増えています。被害者が訴えて事件として明るみに出るようになったから増加したのか、絶対数として増えているのか。それは定かではありません。2012年までは微増でしたが、2013年に前年比47%増と急増しています。まさに2012年の事件の後に増えたことになります。
――インドは女性にとって危険な国ですか
日本企業の人事の方にも尋ねられることがありますが、私は「普通です」と答えています。特別、インドが危険な国ということではないと思います。
たとえば、レイプ事件が年間10万件を超える米国では、多すぎて事件が報道されることはありません。あまりにも事件への反応が鈍くて軽いのです。インドは3万4000件です。発生率では世界の中では普通になります。最も危険とされるデリーでも、レイプ事件発生件数はニューヨークには及びません。
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