STAP問題、小保方氏が懲戒解雇相当のワケ

理化学研究所・懲戒委員会が判断

研究費などを返還請求、ES細胞窃盗で刑事告訴も

また、小保方氏に対しては、不正な研究にかかわる研究費、検証実験費用や、12月に自主退職するまで支払われていた給与(CDBが多細胞システム研究センターに改組された11月までは研究室主宰者としての給与)などを含めた費用返還請求や、STAPの正体であったとされるES細胞の窃盗に関する刑事告訴なども、「理研としてやる必要があるかどうかを含めて改革委員会で検討中」(加賀屋広報室長)という。

12月の2回目の調査委員会の報告では、ES細胞の混入を誰がやったかまでは特定できないとされた。だが、強制力のある捜査の手が入れば、憶測を含まない正確な事実が明らかになるかもしれない。

会見する理研の堤精史人事部長(左)と加賀屋悟広報室長

理研が支払ったSTAP研究の費用は、小保方氏のPI(研究室主宰者、2013年1月着任~14年11月)としての給与年間1000万円と研究費年間1000万円(研究ができる状態ではなくなった2014年3月以降の研究費は支払われていない。給与もCDBが多細胞システム形成研究センターに改組された11月以降は一般研究員レベル)のほか、1500万円とされる検証実験費用、論文投稿費用、度重なる会見の費用まで含めると個人の支払い能力を超える可能性もある。

細胞のすり替えという大胆で単純な不正

STAPはなかった。昨年1月の論文発表から1年あまり、科学界を揺るがした不正論文事件は、細胞のすり替えという、あまりにも大胆で単純、だからこそ科学者の世界ではあり得ないと考えられていた不正によるものだった。それを行ったとみられるのは「未熟な科学者」などではない。「科学者とはいえない人」だったのである。

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