東洋医学の知恵で猛暑の夏を涼やかに過ごすワザ 汗のかき方と水分の摂り方が一番のポイント

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①水分を正しく補給する

近年、水分の摂り過ぎによる「水毒(すいどく)」の症状を訴える患者さんがとても多いように感じます。夏の脱水は死に至る恐ろしいものですが、だからといって水をガブ飲みすればいいというものでもありません。

夏の適切な水分摂取量は、汗のかき方や運動量、年齢で異なりますが、基本的には「食べて1000mL、飲んで1000mL」です。飲み物として摂るのは1Lくらいにとどめます。

この1000mLの摂り方も重要です。胃を冷やさないようにしないと、気を消耗します。1回あたり1~2口、1回50mL以下にするのがよいでしょう。飲み物の温度は体温以上が基本で、涼しい部屋にいる場合は、ホットで飲むのをおすすめします。

②冷飲食を避け、タンパク質をしっかり摂る

冷たい飲み物や食べ物は控えめに。毎日冷たい素麺やソバ、冷やし中華を食べていたら、あっという間に夏ばてしてしまいます。

とはいえ、熱をこもらせる揚げ物や脂の多い肉、うなぎ、ニンニク、トウガラシも要注意です。こもった熱を中和させるため、冷たい飲み物が欲しくなります。唐揚げとビール、焼肉と酎ハイなどで体調を崩し、来局する人は毎年必ずいらっしゃいます。

では、何がいいかというと、夏には体の熱を冷ます「清熱作用」のある食材が理にかなっています。具体的には以下のような食材です。

セロリ、ゴーヤ、レタス、あずき、緑豆、もやし、トマト、きゅうり、とうがん、ナス、スイカ、メロン、梨、そば、豆腐、こんぶ、のり、わかめ、緑茶

むくみが気になる人におすすめ食材

むくみが気になる人は、利水作用のある食材もおすすめです。

あずき、緑豆、ささげ、そらまめ、えんどうまめ、インゲンまめ、とうもろこし、スイカ、キウイ、きゅうり、とうがん、れんこん、鮭、鯉、どじょう

お茶であれば、ハトムギやどくだみ、おおばこ、トウモロコシのヒゲがいいでしょう。ハトムギやおおばこは、漢方薬の材料としても用いられています。

熱中症や脱水症状の予防には、「雪梨槳(せつりしょう)」を。梨を薄切りにして水に浸して食べます。梨は体を冷やして潤す作用の強い食材です。運動時や汗をかいたときに摂るとよいでしょう。

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