私たちは問題を解決しようとする。そして、その解決策がいい結果をもたらすのか、悪い結果をもたらすのかを確認しようと、成り行きを見守る。その結果が満足のいくものとなったことがわかるまで、結果の良しあしはわからない。
だからこそ、運に頼ると高くつく。幸運の女神がほほ笑むのは、たいてい結果がわかったあとだからだ。
一連の行動をとり、その解決策に時間と労力を費やしたあとになって、ようやく幸運の女神の出番となるのだ。
「運がいい」とはどういうことか?
とはいえ、いい知らせもある。私たちは自分の期待や注意を修正することができる。よりよく注意を払い、無関係な情報を無視し、不適切な反応を抑え、よりよい情報を意思決定システムに提供する方法を学ぶことができるのだ。
「運がいい」とは、遭遇するランダムネスの大きい波に乗る意欲をもつことだ。「運がいい」とは、適切なタイミングで適切な場所にいることを意味するが、それにはまた自分のスキルや才能に磨きをかけ、自分の能力を最大化する努力も必要となる。
ただ偶然に頼り、物事の本質を見きわめることなどできない。目標達成に意識を向け、偶然の出来事が起こったら受けいれて、そこから行動を起こす心の準備をしておかなければならない。つまり偶然を利用する意識をもつのだ。
よって運だけに頼り、サイコロの目や配られたカードといった偶然に頼ることを優先し、スキル、能力、訓練、努力、労働といったものを放棄しようものなら、問題が生じる。
幸運の女神のほほ笑みは、貴重で高価なものになりうる。だからこそ、ランダムネスを利用したければ、まずは外の世界にでていこう。そしてランダムな砲撃の真ん中に身を置こう。
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