「投資をする親子」としない親子の決定的な差 「未成年口座」で「格差」はますます開いていく

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なぜ日本人は投資をしてこなかったのか。これは、現役世代の方なら肌感覚で理解しているかもしれません。答えは、単純です。

第2次世界大戦後、ボロボロになった国の経済を立て直すためには、人々のお金を一度金融機関に集め、金融機関がそのお金を会社に貸し、産業を活性化させるというシステムが必要でした。そのため、国は、「貯金をすることは、いいことである」という価値観を人々に植えつけました。確かに一時期は、金利が8%などいう夢のような時代もありましたので、貯金さえしておけば大きな利益が出ます。

つまり、投資は必要なかったのです。

「投資は怖いもの」という古い価値観

加えて、日本の投資信託の中には、よくない商品、つまり買った人が損をするリスクの高い商品、高い手数料を取っているわりに利益が低い商品がたくさんありました。言葉は悪いですが、「クソ」な投資信託がたくさん存在していたのです。いまだに、投資信託に対して「うさんくさい」「損をさせられる」といったイメージを抱いている人、「過去に投資信託を買って、ひどい目にあった」という人もいるのは、こうした過去の悪い状況が影響しています。

現に近年、貯金重視から投資重視へと方針を変えたとはいえ、貯金はよいもの、投資は怖いものという価値観は根強く残っているといえるでしょう。次の図を見てもらえればわかるように、2021年3月末時点の日本とアメリカとヨーロッパ(ユーロエリア)の状況を比べると、日本の現金・預金の割合がとびぬけて高く、債務証券や投資信託や株式等を買っている人(投資をしている人)の割合が低いままです。

(図版:アスコム)
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