年金、医療改革――。選挙後の岸田政権はこうした社会保障の課題と向き合うことになるが、政治の危機はむしろ改革の好機だ。

──2024年公表予定の年金財政検証では公的年金の将来所得代替率(現役世代の手取り収入額に対する年金額の比率)が、政府が下限と設定する50%を割りそうです。
香取 年金制度にとって人口動態がどうなるかは制度外にある条件であって、それに応じてマクロ経済スライドによる給付水準の調整幅が変わるだけだ。マクロとしての年金システムは機能し続ける。
「付加価値」生む人を増やす
問題は、与えられた人口動態の条件下でいかに給付水準を改善するかだが、やるべきことは前回・前々回の財政検証の中で示している。
一言で言えば、付加価値を生む人を増やすこと。1つは健康寿命の延びた高齢者や女性の労働参加拡大やその雇用の質向上。もう1つは若年層の非正規雇用状況を改善すること。働く人を増やせば出生率向上と同じ効果がある。
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