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岸田政権「黄金の3年」で気になる社会保障の行方 香取照幸×権丈善一「キーマン」2人が語り尽くす

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年金、医療改革――。選挙後の岸田政権はこうした社会保障の課題と向き合うことになるが、政治の危機はむしろ改革の好機だ。

参院選を乗り切った岸田文雄政権は、これから大型の国政選挙がない「黄金の3年」を迎える。その間、社会保障改革はどうなるのか(撮影:今井康一)

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社会保障改革を主導する全世代型社会保障構築会議(全社会議)。キーマンである上智大学の香取照幸教授と慶応大学の権丈善一教授が対談した。

──2024年公表予定の年金財政検証では公的年金の将来所得代替率(現役世代の手取り収入額に対する年金額の比率)が、政府が下限と設定する50%を割りそうです。

香取 年金制度にとって人口動態がどうなるかは制度外にある条件であって、それに応じてマクロ経済スライドによる給付水準の調整幅が変わるだけだ。マクロとしての年金システムは機能し続ける。

「付加価値」生む人を増やす

問題は、与えられた人口動態の条件下でいかに給付水準を改善するかだが、やるべきことは前回・前々回の財政検証の中で示している。

一言で言えば、付加価値を生む人を増やすこと。1つは健康寿命の延びた高齢者や女性の労働参加拡大やその雇用の質向上。もう1つは若年層の非正規雇用状況を改善すること。働く人を増やせば出生率向上と同じ効果がある。

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