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日本の少子化の裏に「家族に丸投げ」社会の大問題 家族社会学者の落合恵美子教授に聞いた

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日本はある時点から、家族――こと女性が自己犠牲のもとで家事や育児を抱え込んできた。

落合恵美子(おちあい・えみこ)/京都大学 大学院文学研究科 教授。1958年生まれ。80年東京大学文学部卒業。87年、同大大学院社会学研究科博士課程満期退学。2004年から現職。

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新型コロナの蔓延は、一斉休校や在宅勤務などで私たちの日常を一変させた。ここから見える日本の少子化への処方箋とは。
ジェンダー論や家族社会学が専門の、京都大学大学院・落合恵美子教授に語ってもらった。

コロナ禍において、育児や家事などのケアがいかに担われてきたかの調査を2回行った。1回目は緊急事態宣言下における在宅勤務の実態調査。2回目は自宅療養の調査だ。これらの調査で判明したのは、家族のケア負担がやはり女性に偏っているという事実だ。

しかも、2回目の調査での「自宅療養者のケアをしていたときに、自分は仕事ができたか」という質問に対して、回答に男女差があった。「テレワークをした」と回答したのは男性が多く、「休んだ」は女性が多い。しかも、有休ではなく無給休暇となった人の割合は圧倒的に女性が高い。女性に多いパートなど非正規社員は無給で休まざるをえなかったのだ。

「脱家族化」できない日本

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