よく聞く「モンテッソーリ教育」って結局何する? 「~してあげよう」の思いが子の成長の邪魔に…
成長のサイクルがうまくまわり、小さな成功体験を積み重ねることで、「俺ってけっこうイケてるな!」とか「私って、なかなかやるじゃない!」といった心が育っていきます。だからこそ、次の新しい活動にチャレンジしてみようという「挑戦する心」がわいてくるのです。そうして、また新たな興味・関心を自分で探して挑戦し成功することで、さらに成長のサイクルがまわり始めます。
どの分野においても何歳になっても「成功者」といわれる偉人たちは、このサイクルが自分の中でまわっています。イチロー選手が、45歳のときの引退を問われたインタビューで「僕は一生野球の研究者でいたいのです」と答えていたことがとても印象的でした。あれほど野球をきわめてもなお、自分で課題を見つけて、挑戦していく姿勢は、まさしく今も、成長のサイクルの中にいるのだと考えさせられました。
0~3歳の乳幼児期前期は、この成長のサイクルがまわり始める、最も大切な時期なのだと、保護者は知っておく必要があります。成長のサイクルがまわり始めれば保護者が何もしなくても、子どもは自分でぐんぐん成長していきます。しかしこのサイクルの流れが滞っていたり、完全に停止してしまっているケースも多くありますので注意しましょう。
子どもの欲求に先回りし気づく「いいお母さん」は要注意
それが先述した間違った成長のサイクルです。保護者の方であればみんな、心当たりがあるのではないでしょうか。なぜならば、すべて「わが子によかれと思って親がする行動」だからです。
「危ないから片づけてあげよう」「これはもう何回もやっているから別の活動をやらせてあげよう」「1人でやっているから、一緒にやってあげよう」「おそらくできないだろうからかわりにやってあげよう」など、わが子のために「◯◯してあげよう!」の思いが、実はわが子の成長をいちばん邪魔していたのです。
特に子どもの欲求に先回りしてよく気がついてしまう「いいお母さん」は要注意です。子どもが活動する前に、その気配を察して、「これが欲しかったのにね!」「今度はこれがいいかな?」とどんどん先まわりをしてしまいます。この習慣を続けていくと、最後は自分で選べない「指示待ち」の子どもになってしまいます。
自分で選んで最後までするからこそ、「自分を信じる=自信」が生まれるのです。どんなに上手にできても、人にやってもらったのであれば「他信」しか生まれません。「やっぱり私はパパやママに助けてもらわなければできないんだ」という自己肯定感の低さは、こうした間違った成長のサイクルに原因があったのです。「子どもは自ら成長し、伸びる力をもっている」。その力を信じて、環境を整え、援助して伸ばしていくことが私たち保護者の役割なのです。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら