酷暑の夏にあえて「京都旅行」を勧める意外な理由 「暑くない地域」に行くこともひとつの手だが…

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猛暑のダメージを避けるのには交通機関の選択も重要だ。最も有利なのはレンタカーを借りてなるべく車で移動することだが、前述したようにレンタカーの数がかぎられているので注意が必要だ。

レンタカーでは駐車場選びも重要になる。目的地に着く前にあらかじめ駐車場の位置を調べておくことで、目的地までの徒歩の距離を短くすることができる。複数人で旅行している場合、駐車場から全員で目的地まで歩くのではなく、目的地近くで同乗者を降ろして、ドライバーだけが駐車場にとめ、目的地で合流することも有効な手段となる。

体力の消耗を抑えることが重要

公共交通機関にたよらざるをえない場合は、地下鉄の発達している大都市が猛暑に強いといえる。例えば東京や大阪の中心部では多くの目的地に地下鉄で移動することができる。鉄道やバスだと猛暑のなか、ホームやバス停などで待たされることで疲弊してしまうが、地下鉄の多くは直射日光を避けられるのは当然のこととして、エアコンも入っているので快適な移動ができる。

それでも、日中歩かなくてはならない状況もあるだろう。水分補給などの一般的な暑さ対策はいうまでもないが、そのときは、もしアーケードがあるなら、その道を選択する。そうでない場合も太陽光線との関係を見定めながら、どちら側の歩道を歩くかなどをこまめに選択することで、体力の消耗に差が出てくる。また、日帰り温泉、銭湯に加えてネットカフェのシャワーなどを活用して適宜汗を流すことも有効だ。

持ち物で暑さを避ける工夫も必要だ。旅行用の傘はそのまま日傘として利用できる。筆者が愛用するのは扇子である。軽く持ち運びに便利でどこでも簡単に涼をとることができ、重宝する。また、冷房のかかった屋内と猛暑の屋外では、すぐに脱ぎ着できる衣服にすることで、不快さを最小限にとどめることができる。

好むと好まざるとにかかわらず、これから数カ月はこの猛暑とつきあって旅行しなければならない。そして、来年以降の夏も同様の状況が続くだろう。猛暑と賢く共存して旅行する技術は、日本を旅行する人すべてにとって重要な項目となりそうだ。

橋賀 秀紀 トラベルジャーナリスト

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はしが・ひでき / Hideki Hashiga

東京都出身の50代。早稲田大学卒業。「3日休めれば海外」というルールを定め、ほぼ月1回の頻度で海外旅行に出かける。訪問国は130カ国。共著に『エアライン戦争』(宝島社)など。『週刊東洋経済』で「サラリーマン弾丸紀行」を連載した。Yahoo!ニュース エキスパート。記事の内容についてのお問い合わせ・取材の依頼などについてはこちらまで。

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