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意外と侮れない「外壁タイル」剥落事故の怖さ アフターサービスは使える?事故の責任は?

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  • 長嶋 修 不動産コンサルタント(さくら事務所 会長)
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外壁タイルの剥落、落下に伴う事故は過去に何度も問題となっている。2019年、熊本で築6年目のマンションの11階部分から外壁タイルが落下。走行中の軽乗用車に当たり、怪我人を出したニュースは記憶に新しいところである。

国や行政など、公的な機関による調査は行われないのかと疑問に思う方もいるかもしれない。実は外壁に関しては、建築基準法施行規則の改正 (2008年4月1日施行) により、3年ごとの全面打診調査が義務付けられている。目視や双眼鏡や望遠鏡を用いたチェック、手の届く範囲はテストハンマーによる打診を行うなどの調査内容が定められている。

ただ、「落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分」の調査であり、明確な判断材料が提示されているわけではない。また節目ごとの特定建築物調査は実施済みのマンションであっても、外壁に大きな不備、大量の浮きが見つかるケースは残念ながら存在する。3年ごとの特定建築物調査の結果を過信すると思わぬトラブルにつながりかねない。

日頃からの点検が重要

外壁タイルの剥落の明らかな兆候はタイルの浮きの発生である。まず浮きの発見が必要だが、目視での発見は難しい。剥落を防ぐためには、日頃からの点検以外に方法はないのだ。以前、建物のどこかで剥落した箇所があるマンションではより注意が必要となる。

特定建築物調査の結果にかかわらず、どんな場合においても、竣工2年目、10年目までには外壁の点検の実施を行うことを推奨しておきたい。特に2年目は外壁だけでなく、幅広い内容に対して無償で修繕を申請することができ、非常にコストパフォーマンスが高いタイミングだと言えるだろう。

加えて引き渡し後10年以内は、構造耐力上主要な部位や雨水の侵入を防止する部分などに限定されるが、共用部分のアフターサービスが利用できる。大規模修繕工事の施工時期を確認するための劣化診断を兼ね、あらためて外壁の点検を行っておくといいだろう。さくら事務所では場合によってはドローンも活用し、目視が難しい箇所の不具合や劣化の予測に役立てている。

外壁の不具合は一見しただけでは判断が難しい。しかし実際に剥離などトラブルが発生した後では、マンションの所有者である管理組合が建物の管理責任を問われる事態となってしまう。

また大規模修繕工事ではじめて不具合が発見された場合、時間もコストも予想外に必要となる。アフターサービスの有効活用や第三者機関のアドバイスも検討し、こまめに点検することがトラブル回避への近道となるはずだ。

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