日本ハム「きつねダンス」がここまで流行る理由 野球一本足からエンタメ企業への大転換の布石

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「きつねダンス」の取材も兼ねて、6月17・18日のファイターズ対マリーンズ戦に足を運んだ。18日の午前中に時間が空くので、建設中の新球場を見に行こうと思い立った。

札幌市内に宿泊したのだが、市内の繁華街=すすきのに掲示されたこの広告看板に、野球ファンとしては、いきなり気分が高揚する。

すすきのに掲示された広告看板(筆者撮影)

JR札幌駅から快速で16分、北広島駅に降り立つ。典型的な地方都市の郊外駅だ。ここがタクシーに乗って10分足らずのところに、新球場=ES CON FIELD HOKKAIDO(エスコンフィールド)の建設現場があった。

建築中のその巨大な姿に、野球ファンとして心が震えた。建設中の建物に心が震えるのは、正直生まれて初めての経験かもしれない。

心が震えるのは、巨大だから、だけではない。フォルム全体が、何というか木造家屋のような形をしているため、大空や周囲の緑と見事に調和して、「バブリー」な感じがまったくしない。ゼネコンではなく、ドラマ『北の国から』の黒板五郎(田中邦衛)が手作りしたような、と言えば言い過ぎか。まるで金属製の要塞のような札幌ドームとは対照的である。

建設中のエスコンフィールド(筆者撮影)

球場の本領はFヴィレッジにある

しかし、この球場の本領は、エスコンフィールドを囲む広大なエリアに建設される「HOKKAIDO BALLPARK F VILLAGE」(Fヴィレッジ)にあると思う。公式サイトより、その陣容。

・ ES CON FIELD HOKKAIDO(サウナ/温泉付き)
・ キッズエリア
・ FIGHTERS LEGENDS SQUARE
・ 農園エリア
・ 認定こども園
・ THE LODGE(商空間)
・ プライベートヴィラ(宿泊施設)
・ シニアレジデンス・メディカルモール(2024年開業予定)
・ アクティブシニア向け賃貸レジデンス
・ マンション「レ・ジェイド北海道ボールパーク」

これは球場/ボールパークというより、もうテーマパークだ。それも老若男女のすべて・すみずみに向けた――。

約600億円と言われる建設費用を巨額投資して、ファイターズが目論む戦略は何か。多く報道されたのは、消極的理由としての、札幌ドームの使用料の高さや、ドーム内での物販や広告収入の分配についての問題だが、もちろん、それだけではなかろう。

野球を核としながらも野球だけにとどまらない、つまりは「スポーツ事業」から「エンターテインメント事業」への発展的戦略を企図したうえで、その戦略に向けた大勝負が、エスコンフィールド/Fヴィレッジの建設だと、私は捉えるのだ。

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