厳しい?アメリカ「たばこ規制」はここまでやる 中毒者削減へ、たばこ会社にニコチン削減義務

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アルトリアは21日に出した声明で「成人喫煙者からたばこ製品を取り上げることよりも、FDAが認可した害の少ない無煙たばこ市場を充実させることに焦点を当てるべきだ」と述べた。

「今日という日は長期にわたるプロセスの始まりを意味する。そのプロセスは、科学的根拠に基づき、予期せぬ重大な結果をもたらす可能性があることを考慮したものとしなくてはならない」

R.J.レイノルズの親会社レイノルズ・アメリカン(RAI)は、今回の規制案についてはコメントを控える一方で、次のように語った。「たばこの害を減らすことが喫煙による健康被害を減らす最善の方法だというのが、当社の考えだ」。

アルトリアとRAIは、成人喫煙者に対したばこを魅力的でなくする基準はたばこの禁止に等しく、たばこ規制法に違反するものだと以前から警告していた。

「明示的な禁止も事実上の禁止も、どちらもまったく同じ効果をもたらすものであり、いずれも議会が明示した『たばこ製品の成人への販売を許可する』という趣旨を骨抜きにするものとなる」。過去の提案に対しRAIが2018年にFDAに送付した書簡にはそう記されている。

5年前、FDAのスコット・ゴットリーブ長官(当時)は、たばこのニコチン含有量を最低限、あるいは中毒性のないレベルまで引き下げる計画を発表。この提案は2017年に具体化されたが、トランプ政権時代には正式な規則につながらなかった。

ニコチン95%カットの製品はすでに存在する

2009年制定のたばこ規制法は、「公衆衛生を保護するうえで適切な」基準を設けてたばこ製品を規制する幅広い権限をFDAに与えたが、同法にはたばこの禁止やニコチン含有量をゼロにすることは違法だと明記されている。

低ニコチンたばこは、種類こそ限られているものの、消費者向けに販売されている。今年春には、ニューヨークの植物バイオテック企業トゥエンティセカンド・センチュリー・グループが新開発の低ニコチンたばこの販売を開始した。

15年の歳月と数千万ドルを費やして、たばこの木を遺伝子操作したものだ。ジェームズ・ミッシュCEO(最高経営責任者)によると、同社の銘柄「VLN」のニコチン含有量は従来のたばこの5%だという。「これは遠い未来の技術ではない」とミッシュ氏は語った。

(執筆:Christina Jewett記者、Andrew Jacobs記者)
(C)2022 The New York Times

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