「就活で人生を諦めた」大卒27歳男性の生きる道 スーパーのアルバイトで得た社会との接点
大卒者の13人に1人が、ニートや無職になっているという現実を、どれだけの人が知っているだろうか。理由はさまざまだが、人間関係を構築するのが極端に苦手な人の場合、就職活動がうまくいかず一度「普通の人」のコースを外れてしまうと社会復帰が難しいことは想像がつく。再チャレンジ可能な社会の実現が提唱されて久しいが、実態はどうなのか。ある男性のケースから、世の中のあり方を考えたい。
就職支援団体のサポートを受けアルバイトを始める
田原悠(仮名)さんは、現在27歳。スーパーでのアルバイトを始めて半年になる。
仕事は品出しやレジ打ちで、勤務は週5日。基本は9時から17時までだが、時には夜勤に入ることもある。
母親と2人の実家暮らし。父親は単身赴任中で、会社員の弟はひとり暮らしをしている。
悠さんは今の仕事に就くまで、大学を出てから一度も働いたことがなかった。
1年前から、若者の就職支援をする団体のサポートを受けるようになり、ようやく受かったのが今の職場だ。この半年間、仕事は1日も休まずに続けられている。周りからは「次は正社員」と言われるが、今はアルバイトで精いっぱいの日々だ。
「正直、自分としては正社員になるのはずっと先かなと思っています。今のバイトをいつまで続けるかもわからないけれど、職場が変わってもやっていけるような人になりたい」