肉を先に食べるといいのは血糖が抑制されるから やせホルモン「インクレチン」が肉の脂質に反応

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この効果に着目し、アメリカではインクレチンと同様の働きを持つダイエット薬(GLP-1)が2型糖尿病治療や重度のダイエット治療に活用されています。

「えっ、お肉から食べていいんですか 」と驚かれる患者さんに、私はいつも自信を持ってお答えしています。「はい! むしろ、お肉から食べたほうがやせるんですよ」

奇跡のやせホルモン「インクレチン」

もう少しミートファーストについて詳しくお話しします。消化管ホルモン「インクレチン」には、食後状態をつくるという作用があることがわかっています。肉の脂質によるインクレチンの分泌反応は、非常に速く、脂質自体にも脳の満腹中枢を遮断して、食欲を抑制する作用があります。そのしくみは、次のとおりです。

①肉を食べると腸にインクレチンが分泌され「食後サイン」が全身に発動

②胃が小さくなる

③胃は「もうこれ以上、食べ物は入りません」と休息モードに入る

④速やかに胃腸のぜんどう運動がストップ!

⑤消化に時間がかかるお肉が胃に長くとどまり血糖値上昇を緩和

⑥やせる!

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ダイエットのときこそ、しっかりお肉を食べることが大切です。タンパク質をとらないと、筋肉が減り、基礎代謝が落ちて太りやすくなるからです。筋肉量が多い人ほど、1日の消費エネルギーは大きく、普通に生活しているだけでカロリーを消費できる「やせ体質」になります。

お肉は牛肉なら赤身がおすすめです。赤身には、体内の脂肪燃焼を促進させるL-カルニチンが豊富です。コレステロールを気にして、タンパク質は肉より魚や大豆から摂取されている方もいると思いますが、魚に含まれる多価不飽和脂肪酸はエネルギーに変換されにくい脂質なのです。

しっかり筋肉量を増やすなら、エネルギー効率の高い脂質とタンパク質を豊富に含む肉が最適です。

工藤 孝文 内科医、糖尿病内科医、漢方医

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くどう たかふみ / Takafumi Kudo

福岡県みやま市出身。福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後、大学病院、地域の基幹病院を経て、現在は、福岡県みやま市の工藤内科で地域医療に力を注ぐ。専門は、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療・ダイエット治療など多岐にわたる。「より多くの人の病気を予防する」をモットーに、医療、健康に関する情報発信を積極的に行っており、NHK「あさイチ」、日本テレビ「世界一受けたい授業」、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」などのTVをはじめ、さまざまなメディアに出演している。著作も多く『1日1杯飲むだけダイエット やせる出汁』(アスコム)は15万部を超えるベストセラーになっている。

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