中国の半導体製造設備メーカーの華海清科が6月8日、上海証券取引所のハイテク企業向け新市場「科創板」に上場した。同社の株価は取引開始とともに急騰し、一時235元(約4673円)まで上昇。その後は徐々に値を下げたものの、初日の終値は売り出し価格の136.66元(約2718円)を64%上回る224.1元(約4456円)で引けた。
華海清科は今回のIPO(新規株式公開)で2666万6700株の新株を発行し、総額36億4500万元(約725億円)を調達した。この資金をハイエンドの半導体製造装置やシリコンウェハー再生などの研究開発に投入するとともに、手元資金の積み増しにも充てるとしている。
同社は半導体を製造するための専用設備の開発、製造、販売、技術サービスを手がけている。主力製品はCMP(化学機械研磨)と呼ばれる、シリコンウェハーを平滑に磨くための装置だ。現時点では、12インチウェハーに対応するCMP装置を半導体メーカーに供給できる唯一の中国企業である。
中核メンバーは清華大学出身者
華海清科の研究開発の中核を担うのは理工系の名門大学、清華大学の出身者たちだ。同社の董事長(会長に相当)を務める路新春氏や、副総経理(副社長に相当)クラスの複数の幹部は、2020年9月まで清華大学の機械工程学部に在籍していた。また、華海清科の製品や技術は清華大学が保有する特許のライセンスを受けている。
中国半導体業界の近年の投資ブームを追い風に、華海清科の業績は順調に拡大してきた。IPOの目論見書によれば、同社の2021年の売上高は8億元(約159億円)、そのうちCMP装置が8割を占めた。損益はすでに黒字化しており、2021年は1億9800万元(約39億円)の純利益を計上した。
CMP装置の世界市場では、アメリカのアプライド・マテリアルズと日本の荏原製作所の2社が全体の9割超のシェアを握っている。しかし中国本土の市場では後発の華海清科が追い上げており、金額ベースの市場シェアは2018年の1.05%から2020年には12.64%に躍進した。
(財新記者:覃敏)
※原文の配信は6月8日
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