規制が緩んだイタリアで「感染した日本人」の現実 マスクの着用義務解除の日から感染者が増加

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医療の見地からすると、私の症状は自宅で問題なく過ごせているので「軽症」というカテゴリーに分類されるのだろう。それでも3日続いた39度越えの熱はかなりキツかったし、熱が下がった後も1週間ほどは息苦しくてソファでテレビを見るぐらいしかできることがなかった。犬の散歩はもちろん、イスに座ってパソコンをいじるのも嫌だった。

ワクチン打ったのに感染したの?とある人から言われたが、ワクチンは感染を防ぐというよりも重症化、死亡を防ぐものであるとは当初から言われていたことだ。私が「軽症」で済んだのはたまたまか、ワクチンのおかげかはわからない。ただ、陽性になって7日目にはすぐに陰性に戻ったのは、もしかしたらワクチンのおかげなのだろうか。ワクチン未接種で感染した友人が2人、症状は軽くてもなかなか陰性に戻らなかったと聞いた。

日本では11日経ったら感染力はなくなるということで、陰性証明は必要ないそうだが、イタリアでは21日経たないうちは、職場や学校に戻るための陰性証明が必要だ。前述した友人は高齢のボスの秘書をしているので絶対にうつせない、と言って抗原検査より精度の高いPCR検査で陰性が出るまで23日間頑張ったという。

ウイルスを拾ってしまった場所は…

それにしても、コロナの大嵐が吹き荒れていた2年の間は難を逃れていたのに、私は今頃どこでウイルスを拾ってしまったのだろう?  ちょっと恥ずかしい気持ちでいたら、実は5月1日からマスクの室内着用義務が解除になった日から人々の間で油断が生まれたのか、感染者が増えたらしい。

トリノ郊外の病院で救急担当の看護師をしている友人の話では「マスク義務が一部解除になった5月1日から急激に感染者数が増えて、通常の運営体制に戻そうとしていた病院も、再度コロナ専用病棟を緊急に作らざるをえなかったほど。なのにニュースでは病院はガラガラと報道されていて、現場は疑問に思っていました」ということだ。

そんな中、6月15日からはついに、50歳以上の人すべてが対象だったワクチン接種義務が解除された。ノーワクチン派が毎週土曜日に反対デモを繰り返し、街中の商店などは営業ができず、外出したい人々もデモによる渋滞で身動きが取れない、そんな日々もようやく終わる。

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