規制が緩んだイタリアで「感染した日本人」の現実 マスクの着用義務解除の日から感染者が増加

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予約の時間に薬局へ行くとすぐに別室に案内された。薬剤師の先生がささっと綿棒を鼻に入れ、30秒で検査は終了。15分以内に結果のメールが送られてくる。結果は陰性だった。

新型コロナウイルスが蔓延したこの2年間、いったい何度「コロナ詐欺」にかかったことだろう。何度も検査をしたり、人との約束をキャンセルしたりしてきたが、いつだって陰性だった。やっぱり今回もただの風邪かインフルだ。ちなみにイタリアでは一般的にインフルエンザの検査はしない。高い熱が出たらインフル、鼻風邪やせき程度ならただの風邪。そんなふうに医者も患者自身も判断し、それなりに行動する。

どんどん熱は上がり、39度を超えた

ただの風邪かインフルエンザだと思って寝ていると、どんどん熱は上がり、午後には39度を超えた。大学のために1人暮らしをしている娘が電話をかけてきて、「感染してすぐはウイルス量が少なくて陰性が出て、でも数日後にもう一度検査をすると陽性になったっていう人、たくさんいるよ」と脅してきた。知人の何人かが最近コロナに感染したが、私とまったく同じような症状、つまり高い熱だけが数日続き、ほかの目立った症状はほとんどない人が多いらしいとも。

39度越えの熱が続き、解熱剤を飲んでも飲んでもまたすぐ上がる様子は、たしかにいつものインフルとはちょっと違うかも。そう感じ始めた私は、もう一度、今度は家に常備しておいた自宅キットで検査してみた。すると、なんと陽性。やっぱり、という気持ちだった。そして、ついになったか、そんな妙な達成感や、今さらなったの?という照れのような感情も入り混じった。コロナの典型的症状と言われていた味覚障害や嗅覚障害はなかった。

抗原検査結果。2本線が出たら陽性(筆者撮影)

この話を日本の知人にしたら、「え?  セルフ検査で陽性が出たってだけじゃあ、信用性が低いんじゃないの?  本当にコロナかどうか、わからないじゃない?」と言われた。

だがイタリアでは現在、抗原検査もPCR検査と同等の扱いになり、ブースターを受けた人であれば、自宅でのセルフ抗原検査でも正式な結果として認められる。スーパーやアマゾンなどで5ユーロ程度で簡単に購入できるセルフ検査キットは、当初はイタリアでも「本当に信用できるの?」と思われていた(私も思っていた)。だが買ってみると、中身は医師や薬剤師が使う検査キットとまったく同じものなのだ。

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