アプリ利用で価値観変化、コロナ後婚活のリアル 婚活市場が激変、理想の人探しで底なし沼に

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なんでもお見合い結婚の場合、最初の出会いから平均約8カ月でゴールインするという。約3.5年分を大幅短縮できるため、ライフプランにゆとりが生まれる。合理的な判断である一方、恋愛が苦手で異性に対してどう接していいかわからないと自覚している男女も多く、「切実な理由からお見合いを選択している人も多いのです」と後藤さんは語る。

だが、こうした傾向をコロナは完全に変えてしまった。不要不急とみなされた婚活イベント、お見合いパーティーは自粛を突き付けられる。たとえそれが1対1であっても、「自粛しなければ」というマインドが働き、参加者は激減したという。

コロナ禍、地方でオンライン婚活が隆盛に

「代わりに台頭したのが、オンラインによる婚活でした」(後藤さん)

オンラインによる婚活の仕組みを説明すると、司会者が参加者を紹介しつつ、“ブレイクアウトルーム”と呼ばれる1対1で話せるルームに、男女が順々に入っていくというもの。もちろん、自宅から参加しても問題ない。効率だけを考えれば、オンラインのほうが好まれそうなものだが、どうやらそう簡単な話ではなさそうだ。

「オンラインが流行ったのは、実は都心部より地方でした。我々も首都圏を中心にオンラインの婚活イベントを企画したのですが、まったく参加者が集まりませんでした」(後藤さん)

その背景には、地方と都会における男女比の差異が大きいという。

「地方の婚活事情は、男性が余っていて、女性は男性の3分の1ほどしかいません。反面、都会の婚活事情はその逆です。女性が男性の3倍ほどいる“女性余り”の状況です。都会に関しては、人と出会う接点が多いため、焦る必要はないといった心理も働くのでしょう。わざわざコロナ禍でオンライン婚活をしようという参加者、特に女性が少なかった」(後藤さん)

一方、地方は出会いの接点が、都会に比べるとどうしても限られる。時間やコストを短縮できるオンラインは、効率的な出会いの場として好まれた。また、直接会うわけではないため、「試しに一度会ってみましょう」と次のステップへと進む、いわゆる交際進展率が3割ほど増加した点も興味深い。

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