ですが、いくらハッスルして仕事したとしても、人の10倍の経験を「自分自身が」することはできません。1日24時間は皆平等、変えようのないことです。
しかし、勉強することで、その経験の価値を極大化することなら可能です。それは、あるときには過去の成功者の体験談を通し追体験することかもしれませんし、あるときには体系的理論において自分が経験した事象をうまく位置づけることかもしれません。自ら経験するのではなく、他人の経験、思考を借用し疑似体験することで、自らの経験から学習するスピードを早めることができる、ということです。
わかりやすいように単純な例を挙げれば、経理の仕事で「現金を出したら貸方に入れ、借方には相手の費用を入れる」ということを経験し、覚えたとしましょう。これだけ覚えたのでは、極端な話、「手形を出したらどうする」「債権を出したらどうする」となったら応用がきかず、いちいち全て覚えなければなりません。
ぐだぐだ言わないで、まずは打ち込め
しかし、複式簿記の考え方を勉強し理解していれば、もう少し抽象的なレベルで「資産が出ていって費用化した場合には借方にあったその資産を貸方に入れ、借方に費用項目を入れる」ということを理解できるわけです。理解していれば、出すものが現金でなく手形であろうと、債権であろうと、応用して仕訳を行うことができます。
こうして背後にある理論を勉強し理解しておくことで、経験を理解しそしゃくする「応用力」が身につき、経験の価値を最大化して学習スピードを上げることができるのです。
このように、社会人になってからの勉強だって疑いようもなく必要ですが、ご質問者様が今、勉強の必要性を感じていない以上、ほかの人が何を勉強しているかといった一般論を私が述べても意味がありません。人が勉強の必要性を痛感するのは、自分の至らなさ、未熟さを感じたときです。そのときに初めて勉強が必要であることがわかるものです。
自分の至らなさ、未熟さを痛感するためには、まずは仕事に打ち込むことしかありません。「俺はまだ本気出してないだけ」なんていつかの邦画のタイトルみたいなこと言ってはダメですよ。入社1年目なんですから、まずはしっかり仕事に打ち込んで自分の「使えなさ」を自覚してください。勉強はそのあとでも十分間に合います。
そうして勉強を始めてみると、自分が仕事から学ぶことが多くなる、仕事の覚えが早くなることを感じられるはずです。ご質問者様が本日の質問を「あぁ、あのときはなんて恥ずかしい質問をしてしまったんだ」とざんげする日が来ることを祈っています。アーメン。
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